「悩み事もすっきりって顔やな、白石」

「……気付いてたんならもうちょい何かして下さいよ」

「アホ、俺が言ったら意味無いやろ」



謙也くんたちを外に待たせて部室の鍵をオサムちゃんに返しに行くと、先程の謙也くんと同じような顔をしていたので思いっきり叩いた。自主性を重んじるとか、なんじゃそりゃ。

思いの他痛かったのか頭を擦っているオサムちゃんだったが、ふと思い出したように一枚の紙を差し出した。



「府大会のオーダー変えたから、一応見といてや」

「…もう勝手に変えるくらいならいっそ自分で決めて欲しいんやけど、ってこれ、」



S3、財前。思わず紙から顔を上げると、犯人はニヤリと笑っていた。
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