絶対に言うなと念を押された、ついさっきのことだ。

俺は、いつも通りに早く終わった委員会の帰りに、財前を見かけた。ちょっとくらい話して帰ってもそれほど時間はかからないだろう、と思い小走りに財前を追う。



「お前、ちゃぁんと言うこと聞いてんやろなァ?」

「それはアンタが一番よく知ってんだろ、新瀬」



財前は屋上まで行くようだ。何故か途中から忍んで尾行している俺に二人は気付いていないらしく、屋上のドアを少し開いて二人の会話に耳を傾けた。



「お前、天才とか言われて調子のってんじゃねーぞ!」



それ、俺が言う台詞じゃね?
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