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「やあ。お待たせしたね。え？あぁ、すまない。最近、どうにも眠たくっていけないね。夢の中に無理やり引きずり込まれちゃ、天才ど言えど抗いにくいものが……ハイハイ、わかったよ。本題に入ろう。この前の任務の話だけど、彼から聞いただろう？条件があるよってさ。彼は私のお使いでそっちにやったんだから、乱暴な行為は慎んでもらいたいね。何度も言っているだろ、美しさが損なわれる仕事は引き受けないって。彼は死なないだろうから良いものの、これが別な人間だったらどうしてくれるんだい。……まあ、今回は私も気を抜いていたということで置いておくことにしよう。それで？この前と同じ内容であれば我々は組織に手を貸すつもりはないよ。美しくも面白くもメリットもないことに時間を割くのはもうこりごりだからね。……ん？つまり？手を下すのは君が行うとして見つけ出せばいいってことかい？君も存外しぶといね。聞けば、とうの昔にベルモットとバーボンが処分に成功したって話じゃないか。私は彼女らに会ったことはないけど有能な人物たちだと聞いているよ。その二人の報告が信じられないとでも？…まあ、昔って言い方には語弊があるね。それに、君は自分以外をあまり信用していないようだから愚問だったよ失礼。それで？我々は生きているかもしれないシェリーの情報を見つけだせばいいわけかい？もしくは幽霊？冥界から連れてくる？はは、冗談だとも。そう怒らないでくれ、ジン。シェリーが生きているのだとしたら我々が連れて来よう。死んでいるのだとしたら、うーん、まあ要検討ってことで！生死のほどは定かじゃないが、答えは必ず持ってくるよ。ん？報酬？随分と気前がいい！任務の前にそっちから言ってくれるなんてありがたいね。なに、金はいらないよ。新しい人手も必要ない。私は今まで通り、この辺鄙なクソがつくほど田舎なここで、君にボコボコにされた男に監視されながら仕事に明け暮れようじゃあないか。だから、その代わりと言っちゃなんだけど例の人体実験に我々も参入させてもらいたい。前に言ったろう、あの手の実験に携わったことがあるとね。研究所の権利を渡せとまでは言わないよ。研究チームは一旦解散したことだし、都合がいいと思わない？……ん？何を企んでるって？企んじゃいないさ、実験をできる場所に機会に検体に…自分で用意をするとなると手間がかかるだろう？それにね、この万能を持って生まれた私にも知らないことがたくさんある。今回の被検体はとっても興味深いんだ。成長したら、良い実験ができると思うよ。だからそれを見極めるためにもぜひ我々を……あー、まあ、そんなところだ。ゆくゆくは切り出して行けるだろうと見込んでセイバーは君を介して貸していた。情？それは致し方ない。そういうこともあるとも。むしろ必要さ。と言っても、君たちには理解できないだろうけどね。安心したまえ！我々のうち誰かが、必ず何かしらの情報は持って帰ってくる。そして…、被検体、いや、彼女の…マシュ・キリエライトは我々が引き受けよう」