拍手ログ せめて予兆とかあって欲しい話


※いつもより下品。


突然身体が小さくなってから上司の家に転がり込む形で面倒を見てもらってる。ほんと降谷さん育児スキル半端じゃないと思う。頭は大人のままだからそこまで面倒じゃなかったとしても、小さな子への配慮が半端じゃない。そんな感じで、子供体温で寝汗をよくかく私用のパジャマはたくさんあって、昨日はお気に入りの襟ぐりが広くってゴムの入ったゆるゆるのワンピースタイプのパジャマで寝た。寝相が悪くてお腹とパンツ丸出しになっては降谷さんに叱られてるけど、まあ、子供だしな。と自分のことながら適当にしていたのをこんなに後悔する日がやってくるとは思いもよらない。

今日も今日とて降谷さんとハロちゃんと川の字つくって眠っていた。ふふ、くすぐったいよぅ、ハロ……なんかやけに膝裏狙ってモフモフしてくるじゃんハロ……いつもは足全体モッフモフにしてくるのになぜに今日は膝裏……?一体なにごと?眠さでふわふわする頭をなんとか動かして体を起こす。ん……なんか変だ。胸がくるしい。胸?胸っていうか肩きつい。なにこれパジャマきつくないか。なんかまるで身体が成長したみたいな感覚。

「……ああああ!」

成長っていうか、元に戻ってない?!がばっと布団をめくってみれば長い脚があった。いや、長いわけじゃないんだけど!当人比で長いだけなんだけど!だぼだぼのワンピースは襟ぐりが広めでゴムが入ってたおかげか限界は感じるものの何とか着れてる。丈?丈はダメだわめっちゃ短い。パンツ丸見え……っていうか子供用ゴムパンツのゴムの限界越えてるよ。鼠径部めちゃくちゃ痛い!はっ、身体が元に戻ったということは……!おそるおそる手を胸元にあててみた。

「む、胸がちゃんとある……!」

元があるかと言えばそんなにあるわけじゃないし何よりちゃんとした下着つけてないから流れに流れまくってるわけだけど……!嬉しいんだか悲しいんだか驚きによる混乱で胸に手をあてたまま混乱すること数十秒。

「……感動してるところ悪いけど、大分すごい格好してるぞお前」
「ぎゃああ」

横向きに寝そべって片肘で頭を支えている降谷さんと目が合った。しれっと!しれっとこっちをガン見してますけど、何してんですかあああ!いや、勝手に戻ったのわたしですけど!でもね戻りたくてこのタイミングで戻ったわけじゃ、いやもちろん大人のままがいいですけど!布団を手繰り寄せて身体を隠すも時すでに遅し。やたら「すごいもの見た……」と遠い目をしてる降谷さんに枕を投げつけておくことは忘れない。照れられても困るけどそういう反応も困るんですが。

「いや……彼女にコスプレさせてるロリコンの気持ちを垣間見てしまって困惑してるんだ……」
「アンッ!」
「ハロちゃん大人しくしよう?返事するとこ違う!」

ロリコンはそもそも大人に手を出さないのでは?なんて思考にぶっとぶくらい互いに衝撃的な朝を迎えたし、互いに動き出すこともままならず、せーので反対側を向いて着替えることにした。

「あ。そういえば今の私サイズの服ってないですよね」

ぎちぎち軋む子供サイズのパジャマと下着を脱ぎ捨ててから気づいたそれに慌ててシーツを身体に巻き付けた。もう……どうしろと……!さよなら羞恥心。シーツの精になるしかない。それでも別れを告げきれなかった羞恥心に根負けして、恥ずかしさの残ったまま降谷さんを見れば、額に手を当ててブツブツ何やら呟きながら今のわたしが着れそうな服を探してくれていた。

「戻るなら時と場合を考えてから戻ってくれ……」

そんなのわたしもとっくに思ってますよーー!!!





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