拍手ログ ハロウィンC


それはまさに地獄絵図。

『あのねー実はねー吉川ってば学校でモテモテなんですよぅ』

自分とそっくりそのまま同じな幼女が顔を真っ赤にしてあひゃあひゃ笑いながら何かカミングアウトしてる姿は見るに耐えないっ……!それを流しているタブレットを持っているのは風見さん。これは昨日のわたしだそうな。嘘だね!信じない!昨日はそんなことした覚えないもん!……昨日なにしてたかの記憶もすっぽりないけど……!

『でもー未成年と付き合うのはまずいしー。あっ、それにそれに!わたしほんとはおとなのおんなだからこどもとはちょっと合わないっていうか〜』

『え?どんな風にモテるかって?鉛筆くれたりお花摘んできてくれたり…とにかく純情すぎてうすよごれているわたしにはまぶしくて……あっ、たばこ。たばこすいたい』

いやこれ薄汚れてるとかじゃないだろ自分…。風見さんからタブレットを取り返そうにも腕のリーチの長さは残酷だった。なんでこんなん録画してんですかー!

「降谷さんにこんな姿見られたら悲しすぎるからやめてー!ていうか大体これなんでわたしこんなことになってるの?!」
「は?覚えてないのかお前」
「これっぽっちも覚えてません!」
「まあ、このまま見てればわかる」

『たばこたばこ…ってこれチョコレートじゃん〜〜!なんで!たばこ!ないの!』
『今のお前が吸えるわけないだろう』
『そんなこと言って〜〜ふるやさんは、いつもいつもあれはだめこれはだめってばっかり!』
『吉川が大人しくしてたら何もいわないんだけどね』
『そんなのおっきいときでもムリだもん〜〜』

うわーん!と泣き叫んでる自分に言ってやりたい。今泣きたいのはこっちのほうだと。うっそでしょ、これ話してた相手降谷さんなの??わたしこれ確実に説教コースまっしぐらじゃない?覚えてないってことでさらに時間増えない?

『さて、そろそろ吐いてもらおうか。お前は何を食べてそこまで酔ってるんだい』
『吉川は酔ってませ〜ん。酔うようなものは食べてませ〜ん』
『降谷さん!ゴミ箱にウイスキーボンボンの箱が!』
『……吉川』
『だって、ばーぼんって書いてたんですもん』
『は?』
『ふるやさんだ!っておもって、あけたらおいしそうだったのでつい』
『結局食い気に負けただけだろうが!』
『だってばーぼんですよー!らいじゃないもん。らいはのこした。あっちにあります。ふるやさん、らいいります?』
『いらん!』
『あっははー!おなじです。わたしもいりません!すごーい!ふるやさんといっしょ!』

一緒かどうかはこの際どうでもいい。自分の変わりように頭を抱える。おっかしいなあ、お酒飲んでも全然酔わないはずなのに子供になったから変わったのかな。それにしてもひどすぎだろ自分……!

「ねえ風見さん。わたしの知能指数が異常なほど低数値になってると思うんですけどどう思います??」
「アルコールが入っているとはいえいくらなんでもやばい」
「否定できない」


『うふふ。いっしょのしるしにほっぺチュー』
『なっ』
『ひだりもしたからみぎもする〜』

「ぎゃー!なにこれ!痴女!痴女じゃんわたし!!!!」
「子供だから痴女ではないだろ」
「いや、冷静になって考えて見てくださいよ、これわたしが降谷さん襲ってるじゃないですか!降谷さんの!左頬と右頬の貞操を奪っています!!」
「本人がまんざらでもないんだからいいと思うが…?」
「えっ、」




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