拍手ログ キッチンの妖精


『こどもは保護対象なので(ver.工藤邸)』の続き


「だから!なんで全部大きく切るんですか!」
「小さく切る必要性がわかりませんね」
「わたし知ってますよぉ、お隣りに生煮えの料理提供して文句言われてるの」
「はあ?料理が苦手だからと言って生煮えの料理を他人に食べさせてるんです?」
「哀ちゃんが煮込み直してるって学校で愚痴ってました!」

こんにちはエビの背ワタ。つまようじを片手にひたすら背ワタを目指してエビの背中を攻撃しているわたしですが、目の前では推定8〜9歳に縮んだ上司と身分を偽っているFBIが野菜の切り方を巡ってバトルしています。なんでひたすら真顔で背ワタと戦ってるかって?過保護な降谷さんが包丁を握らせてくれないからだよ!子供に持たせられるかって言われたけどよく見てみてくださいって、貴方も大分子供です。

「背ワタとりつまんないいいいい」
「私が代わりましょう」
「貴方はダメです。さっき潰したエビのこと忘れたんですか??」
「ちがうって降谷さん、あれですよきっとわざとですよ。手おっきいからってこんなちっちゃいの触れないって演技してて潰したんですよこの人」
「単純に不器用なだけだと思うんですが。練習すればいくらかマシになるでしょう」
「じゃあ交換〜」

やったね、これで包丁持てる。小さい頃に母の真似をしたかったことを思い出した。今も身体ちっちゃくなっちゃったけど。

「……これ重たいですね??」
「だから持たせられるかって言っただろ」
「降谷さん、こんな重いの使えてるんですね……!」
「今のお前よりは大きいからな」
「どうやってもエビが潰れるんですがどうしましょうか」
「とりあえず何も触れないでもらえませんかねぇ……」



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