アイドルシリーズ

入学式*
「可愛い…!オレはあの子のために頑張るぞ笠松!」
「保護者の案内で何を頑張る気だ」
「ははは。そういえばさっきアレ見たよ」
「アレ?」
「キセキの世代の黄瀬涼太」
「あぁ、キセキの世代か。結局春休み中は一度も来てねぇじゃんアイツ」
「春休み中はモデル優先だったそうだ」
「モデルか…キセキの世代はつくづくオレたちと違うな」
「そう落ち込むなよ小堀。そのうちオレ達だってスカウトが来るぜ…!」
「わかったから女子を追っかけんのやめて保護者誘導しろバカ」


「センパイっ!」
「どうした早川」
「あっちに人だか(り)ができたっス」
「あ?体育館前に溜めんなって言っただろうが!入学式遅らせたら校長と監督から怒られんだよ!」
「スマセン!でも、女子ばっかでオ(レ)どうしようもなくて」
「女子?!なんだ、ハーレムか!?ようし、笠松オレに任せろ」
「おい待て森山ァ!」



「ここでサインしてたらキリがないんで〜ほんとスンマセンっ!今度!今度書くからさ!みんな1年でしょ!?」


「……マジでハーレムだな」
「それもオレらは蚊帳の外のな」
「どうする?オレらで散らせるのかこれ」
「ム(リ)ですっ」


「すみません、ご迷惑おかけしてます」
「あ、君あいつの知り合い?」
「はい。もっと後から入ろうって言ってたんですけどいやに張りきっちゃってて…」
「まあ、キセキの世代はすごいからな」
「バスケ部の方ですか?」
「そうだよ。このダンマリしてるのがキャプテンで、オレとコイツが3年。」
「オ(レ)は2年!」
「君カワイイね。もしよかったらこの後オレと……アレ?どっかで会ったことある?」
「いく(ら)なんでもその方法は古くないっすか」
「や、マジで見たことある。どこだ?どこでだ?」
「ところでお時間平気なんですか先輩方」
「ああっ、まずいぞ笠松!もうすぐ式の時間だ!」
「涼太〜。アドレスでも教えてあげたらいいじゃない。とりあえず入学式でないと母さんたち怒るよ!」
「もうそんな時間?!ごめんねみんなまた後でね!」
「おっそい!」
「ゴメンゴメン。あれ、知り合い?」
「バスケ部の先輩だって。これからお世話になるんだから挨拶くらいしときなよ」
「ちわ。帝光中から来ました黄瀬涼太っス。これからよろしくドーゾ」
「そんなナマイキな態度とらないの!あ、時間やばいんでしたね。先輩方ご迷惑おかけしてすみません…」
「いやいや、女の子散らしてくれただけ助かるよ」
「ほんと君どっかで会って無い?」
「いーかげん黙れ森山」
「行こ、紗希乃。」
「うん。それじゃあ、先輩方また会った時はよろしくお願いしますね!」
「おう、任せ(ろ)」









「あ、そう言えばあの子きのうテ(レ)ビで見ました」
「…吉川紗希乃ちゃんじゃないか?気のせいかと思ってたけど」
「それだああああ」
「うるせぇ!」


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