アイドルシリーズ

うちの子いちばん
「黄瀬さんいいの?こんなに洋服もらっちゃって…」
「いいのいいの!ウチの上の子達ふりふり嫌がって着てくれなくって。涼太に着せて遊ぶくらいしかないのよ」
「あら、涼太君にふりふり着せるの?!絶対かわいいでしょうそれ!」
「そうなんだけどねえ、いやだって言って泣きじゃくるんだもの」
「かわいいのにねえ」
「そうそう、今度紗希乃ちゃんと一緒にふりふり着せて写真撮りましょうよ」
「名案だわ!ね、黄瀬さん。それなら何か雑誌にでも送らない?!キッズモデルの募集の記事をこの前見かけたわ!」
「それ最高!いいわね楽しそう!」



::後日::





「黄瀬さあああん」
「どうしました吉川さん!?」
「この前のキッズモデルの件なんだけど…」
「ええ?」
「うちの娘にアイドルのオーディション受けないかって」
「えええ!?紗希乃ちゃんがアイドル!?」
「まだ決まってないけど、もしかしたら…」
「ということはテレビでふりふり衣装を来た紗希乃ちゃんが歌って踊るのね?!それはもう応援しなきゃ!オーディションって言ったわね?それなら、ダンスとか習っておいた方が良さそうね、わたしの知り合い紹介するわ!」
「黄瀬さんありがとうううう」





:::その頃の本人:::

「りょーちゃんどうしたの?」
「ぐすっ、母さんがこないだの写真をおっきくのばしてリビングに飾ってるの」
「おばさんきっとうれしいんだよ!お姉ちゃんたちはみんなふりふり着ないもん!」
「でも、おれ男の子なのに…ぐすっ」
「じゃあ、りょーちゃんの代わりにわたしがふりふり着てあげる!」
「ほんと?」
「ほんとだよ!」


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