アイドルシリーズ

れいと
A袋をもらいにきました。



「紗希乃〜、袋もらいに来たっス〜」

「あ、きーちゃん!…と、みんな揃ってどうしたの?」

「桃井か。紗希乃に袋をもらいに来たんだよ」

「紗希乃なら今お取込み中だよ!」

「あ〜、やっぱりっスかあ」

「やっぱりってなんですか」

「んー、あそこの中にいるの紗希乃ちんー?」

「すごい人だかりですね。」

「しかも女子ばかりなのだよ」

「そうなの!紗希乃ちゃん女の子から人気があって朝からいっぱいプレゼントもらってるの!!」

「興奮しすぎださつき」

「毎年この日はお互いに荷物が多いから袋持ってくるんスよ〜」

「なるほどな。邪魔をするのは忍びないが早く袋を手にしないと机が使えん」

「さっきからさらりと自慢しすぎだ赤司」




B声をかけました。


「は、お前何これ袋っつーか箱じゃねーか」

「袋に入んなくて購買で箱もらってきちゃった」

「何箱あるんですかこれ」

「これは…バレンタインというよりお誕生日プレゼントのようだな」

「事務所がね、食べ物受け取り禁止なの」

「あれ、きーちゃん同じ事務所じゃないっけ」

「オレは内緒で食べてるっス!」

「友達としてもらう分には全然食べるんだけどね〜。いつも応援してくれてる人はそのあたりの事情察してくれてぬいぐるみとかプレゼントくれるんだよ」

「じゃあ紗希乃ちんはおかしないの?」

「もらったのあるよ。むっくんほしい?」

「ほしい!」

「じゃあ後であげるね!」

「紗希乃ちんありがと〜(ぐいぐい)」

「ちょ、イタイ!頭!頭!体重かけないで!」

「うりゃ(わきわき)」

「ちょっ、ぶふ、くすぐった…!やめて青峰!」

「…(つんつん)」

「て、テツくん?なぜ無言でほっぺつつくの…!」

「わわわたしだって!(ぎゅううう)」

「くび、しまる…!」

「お前のラッキーアイテムはマニキュアなのだよ(ぬりぬり)」

「いま塗っちゃう?!」

「ファンレターにラブレターが混ざってるから処分してあげるよ(シャッキン)」

「ええええ」

「オレ両手塞がっててなんもできないっスううう」


「……いーかげんにしろー!!!」




Cおこられました。


「だって紗希乃ちんヘンなんだもーん」

「おめーはヘラヘラしてろよいつもみたいに」

「なんか、黄瀬くんとダブってイヤでした」

「わたし、ファンだけど親友だよ!!」

「気を配りすぎなのだよ」

「ようするに、僕たちの前では営業モードじゃなくて素のままでいいってことさ」

「みんな…ごめんね、今日色んな人がくるから無意識にそうなってたかも…ありがとう!」




「あの……腕が痺れてきたからそろそろ袋ほしいっス…!」




Dおしまい




「とことん空気が読めないね君は(シャキン☆)」

「ぎゃああああ」









((ねえねえ、紫原くん。黄瀬くん、昼休みから見ないけどどこ行ったのかなー?))

((んー、どこだろねー。))

((チョコ、渡したいんだけど見つからなくてみんな探してるの))

((じゃーオレが預かってあげるー))

((ほんと?ありがとう紫原くん!))








***


すっごい遅いけどバレンタイン。
朝から次々に人が来るのでついつい営業スマイルになっちゃうヒロインちゃん。
黄瀬みたくわざと女の子たちに笑顔を向けてるわけじゃないことをキセキは知ってるから、無理に笑わせるのはイヤってことで…

ちなみに、いつも青峰とかとアホやってるところを見てるので帝光に通ってるファンのみんなは営業スマイル無くても気にしないとかだったらいいなあーとかいう妄想。


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