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2014 1st Mar.
【優しい高校生とこわがり高校生】
すき、すき、すき。
嬉しくて、優しくて、暖かいはずのその言葉を、おまえはどうして震えながら言うんだろうね。
「花井、スキ。」
「ん。」
「スキ。すげースキ。」
上背ばかりあるこの体なら、すっかり包んでしまえるくらい細い体。
服をつかんで顔を埋める、おれに抱かれて安堵する、おまえはけれど、とてもこわがりだ。
暖かなはずのその言葉を、ただただ呟くのは、こわいからなんだろう?
何かこわいからなんだろう?
「田島」
「ん。」
「すきだよ。」
俯く顔を両手で掬って、薄く開いた唇に自分のそれをくっ付けた。
軽く、つけるだけ。ぽってりとした、柔らかな唇だ。
こわがりの言葉をもう紡いで欲しくなかった。一度塞ぎ、顔を見ると、いつも輝きの溢れている瞳が曇ってしまっていた。
好きだよ。そう耳に溶かしてやって、腕に力を入れ胸に強く抱きしめる。
この熱が伝わればいい。何もこわがることなんかないんだとおれの熱で溶かしてしまって、またいつもの強い彼に戻って欲しい。
強く、強く、強く抱く。
彼が切なげに息を吐くのを聞いて、美しい彼が息を吹き返したのを知る。
―― You're ALL of me.
たった一言、言ってもらえるだけで呼吸が出来る
ただそこには、絶対的な信頼が必要だけれども。
abmhやhmizより、hntgはずっと強い信頼で結ばれていると思います。うちでは。
だから彼らは一番揺らがないのだなと思います。
なんかそれだけなんです。
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