あなたに焦がれる10題(6〜10)
あなたに焦がれる10題(6〜10)


6.内に篭る熱を感じて、掬い取って

ペトラの手を取り頬に押し当てる。「冷てぇか?」「…いいえ。温かいです」表情で気持ちが伝わらねぇなら、せめてこの手から篭もる熱を感じて欲しい。そう願う俺の手に彼女の手が重なる。その手でこの想いを掬い取ってくれ。繋がる視線に“リヴァイ”としての願いを込めた。


7.涙だけじゃ足りない、この想いの深さは

堪えきれずに頬を伝わる涙を見せまいと兵長の執務室を出ようとしたのに、捕まって両手で頬を挟まれて間近で見られて…涙を指で拭われて唇がその後を追い掛けてきて…触れられる度に深くなる想いを涙で表すことだけはしたくなかったのに。涙だけでは伝えきれないのに、言葉は出ないなんて。


8.声も、視線も、その存在全てが欲しくて堪らない

「失礼します、兵長」やや緊張した声が耳元を掠める。肩の包帯を変えてもらっているだけだというのに、いつにない近さのせいか余計な事ばかり考える。彼女の指使いや薄く開いた唇に煽られる。「終わりました」ホッとひと息吐く彼女の大きな瞳には上官ではなく、ひとりの女を欲する男が映っていた。


9.ただひたすらに、君に会えない夜を耐えて

何かあった方が、何かしていた方がいい。ただ黙って過ごす夜ほど時間も流れず、寝ても覚めても、お前に会えないことを会えなくなったことを、心の中で悔いて嘆いて…そんなことをしても戻ってはこないのに…あの時間もお前も。あと幾つこんな夜を過ごさなければならないのか。


10.もう逃げないで、わかるでしょう?

「過去に、記憶に囚われるな」でも本当に囚われているのはあなたではないのですか。過去も記憶もあなたや私の一部に過ぎないし、思い出に恋しているわけではない。今こうして息づいてるあなたから目が離せない。これからどうなるか分からないけど、それだけは分かって。





…こうして並べてみると、似たようなの書いてるなぁと(^^;)でもこういう焦れったいのは書くの楽しいです。
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