それから彼女は私に
よく表情を見せるようになった
真っ白な子猫を連れて帰った日もヒロトやバーンは何も悪い事は言わなくただれいの頼みなら、と言うだけで。
それに彼女の顔が綻んだ。
私は何故か温かい気持ちが込み上がる。
何と言えばいいのだろう
疑問だけが頭に残った

それからも彼女は相変わらず
しっかりと身の回りの事を欠かさず成し遂げた。
何故、そんなに完璧にするのかと彼女に問うとこれが私の義務ですから、と答える。
義務って何だろうか?
義務というものは成さないといけないのか?
私には分かるはずもない

春が過ぎて、梅雨も終わり、すっかり夏の暑さが身に染みると思っていたがいつの間にか夏休みだ。
夏は嫌いだ、汗をそんなにかくような体質じゃないが暑いのはうっとおしい。
クーラーが利いた部屋から離れる事は想定無理。
提出物などは終わらしてあるためやる事もない
今はただ、さっきリビングへ来たバーンとグランでテレビを付け無心に見ているだけ。
彼女はこの暑い中、洗濯だの掃除だの、てきぱき動くにつれ
漆黒の長い髪と白いワンピースが忙しいそうに揺れていた。

10時を少し過ぎた時間になると彼女は涼しげな顔で私達の元へ。


『お昼、何を食べますか?後、食べたい物ありますか?』


どうやら買い物に行く様で、手には手提げと帽子を持っている。


「流し素麺が食いたい!」
『………。』


バーンの馬鹿発言に彼女は涼しげな顔を崩し、困った表情になった。
ただでさえ体温が高いのにコイツは死にたいのか。


「れいに任せるよ、
れいが作るものは何でも美味しいからね」
『あ…ありがとうございます』


グランの言葉に少し彼女の白い肌が染まった。
気に食わない


『ガゼル様は…?』


彼女が私の方を向く。
…別にこれと言って食べたいというものはない
特に無いと言おうとした瞬間ふと、考えが頭に過った


「…私も行ってもいいか?」
『え…構いませんけど…』


私以外の彼女含め3人が驚いた表情を見せた。
そんなに私が外に出るのが可笑しいのか。

…確かに暑いのが嫌いな私が行くというのは珍しいか。
自分で納得すると靴を履き


彼女と一緒に近くのスーパーマーケットへ向かった

(何だか、自分が変だ)



義務





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