3日目。
それは突然だった。
"友達の死に顔動画が届いたよ"
「へ」
「死に顔…誰かニカイアに登録しているようだね」
「えーでも私携帯に友達なんていれてな……わわっ…!!」
そこに写ってたのは先日知り合った響希くんと大地くんだった。
「あぁ…君のお知り合いだね??」
「これって…」
死んじゃうってこと??
そういうと、アルコルはふいっと屋上の端へ行き街を見下ろした。
「残念だけれど…」
「っ…助けないと…!!」
「ダメだよひかる」
「どーして…?!」
「君は私と関わっている以上人間に片寄りすぎてはいけない。…わかるね、ひかる」
「でも…」
「…ニカイアに登録をしているなら助かるかもしれない」
「…ん」
納得できない。
…できるわけがない。
人が死ぬことがわかってるのになにもできないなんて。
…でも、それを選んだのは私だから…。
「ごめんなさい…響希くん…大地くん…」
そう言って携帯を閉じたときだった。
「う??」
少しグラグラーッとしたかと思うと、いきなりゴゴゴゴッと地面が揺れ出した。
「はわっ…わわわっ!!ア…アルコル…っ!!」
「ひかる、危ないからこちらへおいで」
私がアルコルに駆け寄ると、アルコルは私を抱いて浮き上がった。
「大きい…」
かなり大きく揺れた地震もしばらくしたら落ち着いた。
「始まったようだね」
「なにが……あ、ポラリス…」
「そうだよ」
アルコルは私を下ろしてくれると、また街を見下ろした。
…きっと、さっきの死に顔動画は今の地震での出来事だ。
どうか…どうか、響希くんと大地くんが無事でありますように。
私はそう願うしかなかった。
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