めいとエリックが買い物から帰ってこなくてもう3日目。
あいつらが買い物に行った日、あまりに遅ぇから様子を見に行ったら道端にスーパーの袋が落ちてた。
中身はめいが買うって言ってたものがまるまる入ってたからあいつのに違いない。
俺はすぐに草薙さんに連絡入れて辺りを探したけど、やっぱり見つけらんなかった。
「………」
「………」
「………」
HOMRAの空気が重ぇ…。
あの尊さんもここ3日ロクに寝てねぇし、十束さんもいつも回してたカメラを持ってこない。
草薙さんは険しい顔で端末握りしめてるし、アンナは赤い玉と地図を前ににらめっこして動かない。
「…めい…どこかわからない…」
「…さよか。…アンナ、おおきにな。疲れたやろ?ちょっと休んだ方がええ」
「…でも、」
「アンナ、焦っても意味はないよ。リラックスリラックス」
「多々良…」
アンナは結構渋ったけど結局コクンと頷き、尊さんと2階に上がっていった。
「…どこ行ってもーたんや…めい…エリック…」
「きっと帰ってくるよ、草薙さん。前だってさー…」
「あれは1日やったし」
「まぁ、そうだけどさ」
「??それ、なんの話っすか??」
草薙さんと十束さんがよくわかんねぇ話を始めたから、なんなのか聞いてみる。
「ん??あぁ、八田はまだいなかったんだっけ。あのね…」
十束さんが話そうとしてくれたときに、草薙さんが血相変えて立ち上がった。
手に持った端末を操作して耳に当てる。
「めいか?!自分今なにして…っ!!…は、無事??」
「「めい?!」」
ごめんね、いずも。…心配した??
当たり前やろ!!
あはは、そうだよね。…ごめんね。エリックも無事だから、きっともうすぐ帰るよ
せやから今どこで何して…っ
…じゃあね、いずも。
「めい…?おい、めい!!…くそ…なんやねん…!!」
「めいなんて??」
「無事やから心配するな、て。エリックも無事やからもうすぐ帰る思うて」
「…帰ってくるんすか」
俺はちょっとホッとして乗り出してた身を戻した。
でも、十束さんは顔を曇らせたままだった。
「…めい、帰ってくるんだよね」
「何いってんすか、十束さん。めいがそう言ったんすよ??」
「…そう…だよね」
「八田ちゃんの言う通りや。…それに、今の俺らにはそう信じとくしかできんやろ」
「…うん」
今思えば、十束さんも草薙さんも手放しには喜んでいなかった。
でもその時の俺はめいが帰ってくると信じて疑わなかった。
次の日、エリックが一人でHOMRAに来るまでは。