07

「今日は音尾が帰ってくる…というかお土産のお菓子が帰ってくる」
「お菓子じゃないかもしれませんよ」


なんかスルーっと誰だか知らない人の名前がでて話が進んでいくから、その場で聞くに聞けずキッチンでこっそり佐藤さんに聞いてみた。


「おとおって誰ですか」
「…あぁ、櫻井は会うのはじめてか。一応この店の責任者、一番偉いやつだ」
「あぁ、マネージャーさんですね」


音尾さん=このお店の運営の人=最強??
私の中で式ができた。


「…帰ってくるというのは…?」
「いなくなった奥さんを探して旅してるんだと、基本年中」
「はぁ…なるほど」


いつ仕事してるんだろう、とか考えない。
ここはこういうとこ、多分。
ふるふると頭を振って考えを捨てると休憩所が騒がしくなった。


「…なんか騒がしいですね」
「そうだな…。…行ってこい、櫻井」
「私は犬かなにかですか」
「面倒ごとに巻き込まれたくないからな」
「それで人にやらせる、と」


ひどいです佐藤さん。
と思いつつ気になるから休憩室の方に見に行ってみる。


「お、櫻井いいところにきた。音尾、4月から雇ってる櫻井だ」
「あ、どうもはじめまして。櫻井まなみです」
「(普通の子だ…)この店のマネージャーの音尾兵吾です」
「お噂はかねがね。最強の音尾さん」
「最強?!」


なにか間違ったようだ。
すると、隣りの山田さんがきらきらしてることに気づいた。


「どうしました、山田さん?」
「音尾さん…!!」
「や…山田さん;;」
「養子縁ぐm「忘れました」


早い。
山田さんに最後まで言わせなかった。
慣れてるのかな…?


「音尾さん・・・」


ぞくり…
なんだろう。
振り向いたらいけないような何かが…


「と…轟さん…!!」
「また帰ってきちゃったのね…っ」


"ちゃった"って言ったよこの人。
しかもいつも帯刀してる刀抜いちゃってるし。
私はさりげなく音尾さんと轟さんの対角線上から外れる。


「よくも私の杏子さんを…!!」
「ひっ…」


音尾さんの助けを求める視線と私の視線がばっちり合う。


「じゃあ、お取り込み中のようですし私はこれで」


今までにないほどにニッコリとそういい、佐藤さんに報告をしに戻る。
殺人の目撃者にはなりたくないし。
音尾さんが何かをいっていた気がしたけど気にしない。



「どうだった、櫻井」
「最強音尾さんが山田さんに養子縁組と迫られて困った上に轟さんの斬撃が…」
「…ようするに?」
「音尾さんが帰ってきていました」


そういうと佐藤さんはめんどくせぇとため息をついた。


「佐藤さん」
「…なんだ」
「超絶効果の胃薬持ってるんですけd「いらん」



もう少し大丈夫みたいです。

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