ねぇ、なんでそんな風に泣くの?
キミは一人じゃないのに。
ねぇ、ねぇ、ねぇ。


拝啓 マイクの向こう側より


俺は彼女の恋人で、彼女は俺の大切な人だった。
「私ね、もうじき手術受けるんだ」
病院のベッドの上で美音がさらりと言った。
「…え?あんなにイヤがってたのに?」
「うん。仕方ないじゃん。そうしないと身体が良くなんないんだから」
「そっか。頑張れよ。手術が終わったら、また美音の歌、聴かせてくれな」
ピクンと美音が震えた気がした。…気のせいだった。
「うん…!」
行こうか逃げようか君が望むままに


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