夕方から夜に変わるころ。
リビングのドアが開く音で目が覚めた。
ご主人が帰ってきたんだ。
ぼくは、てててと歩いてご主人の元へと歩いて行った。…いて、棚に引っかかった。
「わ、今すごい音したよ」
低い声が降ってきた。これはご主人の声じゃない。
…む、ご主人の彼氏さんだ。
ぼくはあんまりこの人のことが好きじゃない。だって、この人が来たら、ご主人があんまり遊んでくれないんだもん。
「おいで」
ご主人がにっこり笑って、ぼくの目線まで腰をおろしてくれた。
ぼくは思いきって、ご主人の腕の中に走って行った。ああ、あったかい。やわらかい。幸せ!
「ロボットのくせにベタ惚れじゃんか」
不満そうな彼氏さんの声。
なんだよ!いつもご主人をひとりじめしてるくせにっ!
「嫉妬してるの?」
おかしそうに笑うご主人。
「いや、別にそういうわけじゃないけど……」
「たまにあなたって、子どもっぽいよね」
2人の会話も弾んできて。
ああ、つまんない。でも、ぼくはご主人の腕の中。
動けないから、ぼくは仕方なく2人の会話を聞いていた。


3/4
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -