01
隣で口を大きく開けて寝ている。
そんなアホ面を見ていると、だんだん幸せな気分になってきて、そいつの鼻をギュッと摘んでみる。
最初は反応がなかったのに、苦しくなってきたのか「ぶはぁ」と可愛気のない声を出してガバッと起き上がった。
「うあー…溺れる夢見た」
「大丈夫?」
「うん………でも、怖かった」
ごめんね。
俺のせいで怖い夢見せて。
「起きたら晴紀がいたから安心した」
「え?」
「いや、怖い夢見た後って不安になんじゃん?だから、すぐ隣に晴紀がいてすげぇ安心したんだよ」
「そっか」
伊武騎の言葉に嬉しくなって、自然と顔が綻ぶ。
いつからだったっけ、伊武騎を好きになったのは。
きっかけはここから