>> 先生の言うとおり
なんでだろう。
いけないことだと知っているのに燃える。
否、
いけないから燃えるのか。
ねえ、どっちだろ?
先生。
―先生の言うとおり
「せーんせっ♪」
「・・・さようなら」
「えぇっ!?まだ帰りません先生!」
「そうですか。じゃあ僕は仕事があるんで」
「いやいや、先生仕事ですってば!」
あからさまに嫌そうな顔をして職員室に入ろうとする先生を半ば無理矢理引き留める。大丈夫。なんたって私には正当な理由があるから。
「教えてください♪」
私は筆記用具と教科書一式を先生に見せてニッコリ笑ってみせた。先生は私を横目に小さくため息をもらした。ああ、素敵。
「ねえねえ先生」
「ん?」
先生は黒縁の眼鏡をかけながらノートに字を書いている。私が呼べば目線はノートのまま短く返事をした。
「せんせ、好きです」
「あーはいはい。ありがとう」
「棒読み・・・!私本気です!」
「毎日聞いてる」
「毎日好きです!」
「なんか馬鹿っぽいね」
杏っぽい。と薄く笑ってページをめくる。先生、そんな素敵な笑顔で貶されたら私、萌えます。
「こら」
「あだっ!!」
先生を見つめて無意識に笑みを漏らすと、破壊的なでこぴんをくらった。
「杏、毎日聞きに来る割には残念ですよね、テスト」
ニコニコ笑う先生が私のこの前のテスト(51点)をヒラヒラ見せた。
「お言葉ですが、私は先生に会いに来てるわけであって、英語は名目にすぎません」
「偉そうに言うな」
「あだっ!!」
本日2発目のでこぴん。
「冗談ですよ!(半分は)」
「どーだか」
「私来月のテストに向けて猛勉強してるんです!」
勿論大嘘だけど。
どうせ先生もはいはい、とか言って流すんだろうと思ってた。
でも違った。
先生は「ふーん?」と目を細め妖しく微笑む。大人、な先生が私を見つめる。
そして先生の顔がぐいっと近くなって少しかすれた声が耳をかすめた。
「いい点とったら、誰にも言えないような事してあげますよ」
顔を離した先生が、いつものように笑った。
「僕のこと好きなんでしょ?」
「せっ せんせ・・・!」
「頑張ってね」
そして私の頭を撫でる。
本気で頑張ろう、そう思った。
先生の言うとおり
先生、私頑張る!
――――――
遅れちゃいました。
その上こんな駄文でごめんなさい!ていうかほのぼのしてませんね。こんな私でよければこれからもよろしくお願いします!
花音さん、リクエストありがとうございました\(^o^)/
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