年明けのご挨拶
年の暮れに祖母が亡くなりました。
母方の祖母、わたしにとっての唯一の「おばあちゃん」です。
当日まではぴんぴんしていたらしく、残されたわたしたちは呆然としてその死の知らせを聞くことになりました。
心の準備も何もありません。
大きな病気も怪我もなく、突然の別れ。
ひいおばあちゃんの時もそうでしたから、そういう家系なのかもしれません。
思えばみんな、人を驚かせるのが大好きでした。……遺品を整理している母の言によると、たんすの間から化粧棚の裏から、小分けにされた通帳やらちょっとした額の金一封やらが掘り出されているそうで……宝探しの状態だそうです。
わたしにもありましたよ。通夜のある日の昼に、祖母から野菜の詰まった荷物が届きました。どんな気持ちでこれを受け取ればいいのか。聞けばわたしだけではなく、いとこたちの家にも荷物が届いていたそうで、意図してのものではないとはいえ、何か陰謀めいたものを勘ぐってしまいます。食器棚の奥にわたしたち孫へのお年玉が隠してありましたし……最後の最後までそういうことをする人なんです。まだなにが隠してあるものかわかったものではありません。
そういうわけで、悲しいは悲しいですが、悲惨ではありません。
気持ちに折り合いをつけるのはまだ先になりそうですが、そういうものはおそらく、時間がなんとかしてくれるものだろうとうっすら予想しています。あるいは悲しみも後になって波のように寄せてくるものなのでしょうか。考え、向き合うには時間が必要で、創作も考えるための一つの手段です。
何にせよ、いまはまだ、そのままを。
そしてここで祖母の死を受けて考えたこと感じたこと思ったこと、いつかまた、あなたにもわたしにも、言葉にしてお伝えできればと思っています。
いまの私に言えることは以上です。
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