メモ記



梅雨も終わりに近づき



私の中には「座長」と呼ばれる語り手タイプの人物がおります。この人物はもっぱら口上や語り物を得意とする人物で、今回のお話はこの座長に語りを一任する形となりました。
賛否両論あるかとは存じます、引きずる彼女のお話でございました。

彼女は他の都市伝説と少しだけ事情が異なります。
両足を失い苦しみの末死んだてけてけ、トイレで死んだ花子さん。あるいは人間としての過去を全く持たない都市伝説たち。
彼女は「森妃姫子」という人間としての明確な過去を持ちながら、明確な死の描写がありません。「森妃姫子」と「ひきこさん」は地続きで、間を隔てるはっきりとした壁はないのです。
だから彼女は生きながらにして都市伝説になった、なまなりの鬼。
「娘生成り、雨を引きずる」でした。


……ちなみに月上ゲ町YTの方での彼女の登場はもう少し後です。
けれど今がちょうど梅雨ですからね。今書かなければ嘘になります。
YTの方のひきこさんがどんな彼女なのかはもうしばしお待ちくださいませ。


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