ソファーに体を押し倒されて、下衣を脱がされた。
慣れた手つきで体内に入ってきた指が中を掻き回す度、快感に腰が揺れる。
「んっあ、あぁ…そんな、しないで…ッ」
「そんな顔で言われても無理だよ」
「日下さんっ…も、やっあっ、指でイキたくない…!」
「…っ」
今にもイッてしまいそうな程、硬く張り詰めた自身がヒクヒクと脈打つ。
少しでも扱かれたら欲を吐き出してしまいそうな状態から指をずるりと引き抜かれて小さく喘ぐと、今度は足を胸につきそうな程深く折り曲げられた。
「はは、体柔らかいね」
「うう…っ」
余裕のある口振りとは反対に、欲情している表情にごくりと息を呑む。
カチャリとベルトを外す音にこれからされる事を想像して恥ずかしくなると、窄まりに猛った自身を押し当てられて体が強張った。
「力抜いて…入んないよ」
「んっぅ…はぁ…あぁあ…ッ!」
徐々に埋め込まれる日下さんの熱に体がビクビクと震え、押し出されるように高い嬌声が喉から出る。
根本まで埋め込まれた圧迫感に上手く息ができずにいると、日下さんは切羽詰った表情でキスをしてきた。
「んんっ…は…あ…」
「動くよ…」
「う…んっ、あ、んぐっ、ぁあっ…」
軽く揺すられただけでイキそうになる。
何とか堪えようとすると体が強張り、日下さんが辛そうに眉を潜めた。
「そんな締めないで…きつい」
「そんな事、言われても…あっ、あぁッ」
日下さんが体重をかける度に深い所に当たって息が詰まる。
頭の中がチカチカして眩暈がしそうだ。
「湊、大好きだよ…」
「うん…うん、オレも…」
(大好きだよ――)
日下さんの首に腕を回しきつく抱き締めると、同じ力で抱き締め返された…。
「湊は好きじゃないと思ってた」
裸のままウトウトしているオレに、日下さんは徐に言った。
「何が…?」
「キスとかエッチとか…そういうのあまりしたくないのかと思ってたよ」
「そんな事ないよ。オレだって男だし…日下さんとするのは…気持ちいいし…」
しどろもどろに返すと、日下さんはクスクスと笑って優しく頭を撫でてくれる。
こういう仕草が大人だなと思う反面、子ども扱いされてるような気がしてるのをきっと分かってない。
まあ…嫌ではないんだけど。
(眠くなる…)
日下さんの雰囲気とか、大きな手とか、存在そのものが大好きで…幸せだなって感じる。
これからもずっと傍に居たいから、その為には自分がどうあるべきなのか自然と考えられるんだ。
今までは「努力」とか答えのないものが理解できなかった。でも、今なら努力のしかたが分かる。
それを教えてくれたのは日下さんだから、日下さんの為に沢山努力してもっともっと好きになってもらいたい。
「何か、今まで我慢して損したな。これからは遠慮しなくていいよね?」
「それって…いっぱいエッチするって事?」
「はは、どう思う?」
あ、ズルイ顔。
日下さんは時々こういう子供っぽい表情をする。その度に胸がぎゅ〜ってなって、年上なのに「可愛い」と思ってしまう。
今はまだ戸惑ったりドキドキしたり慣れない事ばかりだけど、いつかこのズルイ顔に対抗できるようになりたい。
「そうだなぁ、湊次第かな」
「ズルイ!」
――ほら、また胸が苦しくなった。
これ以上、好きにならせてどうするんだろう?
気持ちに限界がないみたいに、どんどん好きが強くなる。
「ほどほどにしてよね…」
「どうかな」
こうして遠慮のないキスはオレをまたその気にさせて、あっという間に夢中にさせるんだ。
END