「はぁ、あぁ、やだ…っ、そこ…んぁあっ！」

「京介さんはここが好きですね…ああ、こんなに俺の指を締め付けて…」

「あっあぅ…言うな…ひっああっ」

コイツの意外にもゴツい指でぐちゃぐちゃにされて、ヒクついた自身から先走った体液が腹の上に垂れてくるのが気持ち悪い。
すっかりオレの良い所を知ってしまった京介は、そこを触るのが楽しみのように散々弄り回した後にじっくりと攻めてくる。
そして必ずイカされるオレは、この指に翻弄されてばかりだ。

「ねぇ京介さん、俺ナンバーワンとりましたよ。何かご褒美ください」

「何…言ってっ、んぅあぁ」

「いいでしょう…？」

「あ…ぁっ…」

指を引き抜かれ、すっかり硬く昂ぶった京介のをゆるゆると入口に擦られて体が震える。

(焦れったい…)

早く挿れてほしい――
いつもみたいに少し乱暴で余裕がなさそうに…そう思えば思うほど自然と息が上がり腰が揺れる。
それなのにいつまでも挿れて来ようとしないから、どんどん辛くなって涙が溢れてきた。

「はは…挿れてほしいですか？でも今日はご褒美がほしいので、京介さんがどうしてほしいのか言うまで我慢します」

「は…何…っはぁ…」

「プライドの高いアナタが、どんな風にねだるのか見てみたい…」

(コ…コイツ――！)

オレが最も嫌な事、それは人に命令される事だ。
頼み事やお願いなら条件によっては引き受ける。が、これは頼み事でもなければお願いでもない――命令だ！

「い、言う訳ねぇだろ！」

「分かってませんね、言わなきゃ辛いだけですよ…」

「――ひっあっ、や…はぁ、は…っ」

さっきまで弄られてた場所を撫でるように触られて肌が粟立つ。
焦れったくて早くぐちゃぐちゃにしてほしいのに、そうしてもらえない辛さに体が小刻みに震えてプライドがどんどん消えていくのが分かる。
それでも言ってたまるかと涙交じりに睨みつければ、京介の眉を潜めた表情にゾクッとしてしまった。

「あ…ああ…」

「は…っ、何て可愛い顔してるんですか…でもダメです」

「んっん…ふぁ、っう…」

京介も早く言ってほしいと言わんばかりに再度指を入れて中を掻き混ぜながらキスをしてきた。
グジョグジョとわざと卑猥な音を立て、触発されては長い舌が起用にオレの舌を絡め取り、どっちか分からない唾液が口の端から垂れ流れる。
堪え切れなくなって京介の首に腕を回すと、更に深く激しく指を動かされて四肢が戦慄いた。

「ああっあ、京介もう、頼むから…っあ、我慢できなっ、あっあ…」

「はっ、ッ…」

早く言って、そう言葉にしてるようにペロリと頬を舐められる。
ゾクゾクと体が疼いて、押し出されるように掠れた声が喉から出た。

「んああっ、京介挿れて、早く…！んっはぁ、きょうすけぇ…」

すっごい情けない声で強請るオレは感じた事のない屈辱と共に、きれいさっぱり失った理性で京介を求める。

「厭らしい…すごく興奮する…」

京介は余裕なくオレの膝の裏を掬うように持ち上げて熱い塊を押し当てた。

(ヤバイ――)

ずっと我慢してたから今挿れられると、きっと――

「やっ、ちょ、待っ――んっああッ！」

信じられない事に、グッと奥に入れられた瞬間爆ぜて飛び散るオレの欲。
べちゃりと顔にかかり声にならない悲鳴が出た。

「うああ、オレのが…！」

「大丈夫ですか？」

「はぁ、はぁ…うるせぇ！お前のせいだ！」

半分泣きながら睨みつけると、オレの中で京介のがヒクヒクと脈うってるのが分かってまた熱が込み上げる。
京介もオレが挿れた瞬間にイッた事に驚いた顔をしてたものの、どうやらそれも興奮するものだったらしく腰を掴んで激しく突き上げてきた。

そしてオレはまた京介のペースに流されてしまうんだ…。

マズイ。これは本当にマズイ。
店でも京介はオレの上にいて、セックスでもオレの上ってどういう事だ。
こんなの絶対間違えてる！

「ふぁ…ふざけんなっ！んっ、あぁ…はぁ…たまには、お前も突っ込まれてみろよ！」

突っ込まれながら言っても京介を煽るだけの言葉でしかなく…オレはまた声が嗄れるまで鳴かされた…。