第1話






希星「やばい!遅刻!」

目覚まし時計が鳴り響いた
夕べは寝る前に
懐かしい絵本を見てつい真剣に
繰り返しながら読んでしまい、
遅く眠ってしまった
枕の近くに置いてあった
私の宝物は絵本だった
幼なじみの怜桜君とよく読んでいた

そして学校に到着

菜穂子「希星」

みやび「希星、おはよう」

希星「三人共〜おはよう!ハァ・・・ハァ・・・」

菜穂子「何?ハァハァ言って・・・」

みやび「ダイエットのため、走ってきたの?」

希星「違う!ダイエットじゃないもん!
朝ね、遅刻だ〜って思って」

みやび「あわてたのね」

菜穂子「遅刻じゃなくて良かったね」

希星「寝ぼけてたかも・・・」

陽真「た、助けてくださ〜い!」

怜桜「ほーれ!カマキリ!」

希星「やめてよ!」

陽真「うぅ・・・」

みやび「虫嫌いの陽真君が可愛そうでしょ」

怜桜「泣き虫の陽真たんがクールだったら良いのに」

陽真「大人になってもどーせ、僕は泣き虫なんだ!」

怜桜「ほぉ〜大人になった俺は
どんな人になっていると思うんだ?」

陽真「明るくて怒りっぽいそのまんまだよ!」

怜桜「いつから俺に対して
そんな事言えるようになったんだ!」

陽真「うっ!」

菜穂子「馬鹿みたい。泣き虫の陽真君が
1番優しいしかっこいいよ」

陽真「へ?」

希星「怜桜君はまだまだ子供だね」

怜桜「なぬ!お前ら・・・」

奏「みんな!ケンカはやめろよ?俺が陽真を守るから、
陽真!負けるな〜」

陽真「奏くん・・・!」

怜桜「みんなこいつの味方ばかりしやがって〜」

海斗「・・・」

怜桜「おい!海斗!先輩に挨拶はっ」

海斗「おはようございます。お馬鹿先輩」

怜桜「お前!!」

海斗「だってお馬鹿先輩と呼んだ方が良いと奏先輩が言っていました」

怜桜「か〜な〜でぇ」

奏「だって馬鹿なんだからしょうがないじゃん。」

怜桜「お前に言われたくない!」

奏「俺もお前に言われたくない!」

みやび「あらら・・・どんな大人になるんだろう。この人達は」

希星「もう、知らない。怜桜なんか好きじゃないし、興味ないし」

みやび「あれ?アンタら、許嫁・・・」

希星「それ、もう意味わからないから!」

怜桜「うっ・・・」

みんな黙ってしまい、黙ったまま教室に着いた
先生がやって来た

影近「みんな宿題やって来たかぁー?」

希星「・・・」

怜桜「・・・」

私と怜桜は席が隣同士
いつもなら二人は授業中でも見つめ合っていたが、
今日は見つめ合えない日 本気で好きなのだろうか?

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