当日も晴天だった、眩しい太陽の下、リレーが始まった。遙たちは第六コースを泳ぐ皆が一つのコースを繋ぐ、練習もしていない彼らが何処までできるか分からない、それでも。

「奇跡を、信じましょう!」

隣に居る江の言葉の通り、奇跡を信じ地方大会へ進みたい、この夏をまだ終わらせたくないんだ、もっと彼らの泳ぎが見たい、もっともっと熱い夏を感じたい。祈りながら見つめていればアナウンスが鳴り響く、真琴や他の選手たちが水へ潜り、バックからのスタートする。スタート台を掴み、プールに背を向けた。

「よーい」

スタートの合図で選手たちは一斉に潜り水面に顔を出した真琴の泳ぎはダイナミックで見ているものを圧巻する泳ぎ、順位はいい位置に着けている、ターンしてからもその位置は変わらず先頭を泳ぐ。

『真琴っ!!』

タッチすると渚が潜りブレの選手たちは泳ぎ始める、まだ抜かされずに先頭をキープしている、水面の中で手足が伸びているかのような長いストロークに見ているものを魅了する渚の泳ぎ。ターンをすれば他のものを寄せ付けなず頭一つ分の差がついた。

『渚!!』

それから100m泳ぎきり怜くんにバトンを渡した、バッタしか泳げない彼らは懸命に泳いだ、たった2ヶ月程しか経過していない彼は徐々に抜かされてしまうが、それでも諦めない怜くんの姿に応援にも熱が入る。

『怜くん!!!』

ターンをして、残り50m先頭から後方へと下がり周りから遅れが出て来るが、アンカーにはハルが待っている、奇跡を祈るしかない。
怜くんは100m泳ぎ着れば現在5位遙くんにバトンが渡される、水面へ飛び込む遙くんの姿は他の選手よりも美しかった、プールの中でまるでイルカのように気持ち良さそうに泳ぐ彼は、一人、二人と抜かして行った、50m泳ぎきれば3位に着けている。

『ハルーっ!!!』

長いストローク、水の中で泳ぐハルのは何人たりとも引き寄せなかった、凛と泳いだ時よりも早く、迷いのない泳ぎ、彼は2位まで登りつめた。

「2位ですっ!!秋羅ちゃんっ!2位に!!」

泳ぐハルを江とあまちゃんと私は興奮しながら、そうして祈りながら見つめている。


『ハルーーっっ!!!!』

「いっけぇー!!遙せんぱぁーーい!!!」


そうして先頭を泳ぐ選手に並び同時にゴールしたのだ、肉眼ではどちらが勝ったのかわからない、電光掲示板見つめれば岩鳶高校の隣には1と書かれていた、客席にいる私達は抱き合い勝利を喜んだ、勿論私達だけじゃないリレーを繋いだ彼らも抱き合い喜んでいたのだった。微かに、あの時の光景に似ていたんだ







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