早くどうにかしないとより例のシーンです。
◇◆◇◆◇
「ふーん…座薬ってこうなってるんだ」
随分と興味深げなアカギをよそに、オレの不安は既にマックス状態である。
「あっあの、アカギ…それ手で持ってると溶けてくっから…」
かろうじて呼びかけると、アカギは聡明にもオレが言いたいことを察してくれたよう。
つまり、
溶ける前にさっさと入れてくれ――――と。
「じゃ、入れるね」
心なしかアカギの声が弾んでいるのはオレの気のせいだと思いたい。
「あぁ…もう素早く頼む」
「分かった」
オレはサッとうつぶせになって座薬が入れられるのを待った。
……なんと恥ずかしい待ち時間だろうか。
ぶっちゃけセックスんときのがまだ恥ずかしくない。
だってセックスのときは2人とも裸だから。
でも今回は違うのだ。
オレだけ下半身を露出させている。
もっと言えば、そう。
尻を差し出している格好なのだ。
「早くっ…入れてくれアカギ…!」
さもないとオレは羞恥でたまらなくなる。
だからまだ理性が保てているうちに、早く。
「―――――アカギ…?」
なかなか尻にブツが入ってこないことに気づき、
おそるおそる…
首をひねって背後を確認する。
したらアカギとばっちり目があった。
……だけならまだしも。
「カイジさん……」
何か言いたげなアカギのくちびるが。
なんかすごくエロくて…
「え、あ?」
それに気をとられているうちに、ホントあっという間に組み伏せられてしまった。
「はっ…カイジさん…」
「え…」
アカギのオーラがオレにとって不穏なものへと変わる。
「その…誘ってるみたいなのやめて…」
「えっ?えっ?」
オレが混乱してるのをいいことにアカギが背中に覆いかぶさってくる。
耳朶にかかる吐息が、
―――――すごく熱い。
「アカギ……ふゃっ」
尻にゆっくりゆっくり…
異物が入ってくる。
一気に入れてくれないものだから、なんだかひどく気分を煽られる始末だ。
固く結んだはずのくちびるからはやけに扇情的な喘ぎ声が漏れていく。
「カイジさんが…」
「っ……」
「カイジさんがこんな高熱を出してなかったら」
「…ひ、ぁっ!」
「オレのを突っ込むところなのに…」
「ぅ、……っん」
アカギの手の熱でだいぶ溶けていた座薬が、オレの中に時間をかけてゆるゆると入っていく。
「カイジさん…恥ずかしい…?」
「……っ」
「感じてる…?」
「ないないないっ…!」
感じてなど、いないはずなのに。
腕を押さえつけられ、動きを拘束される。
それだけでなんでオレは。
――――こんなにも勃たせてしまっているのか。
仮にも高熱を出してる病人だというのに…!
「くっそぉ……」
「それ、こっちのセリフなんだけど…」
「あっ…?」
「オレも、勃ちました」
アカギのばっかやろぉぉぉぉぉぉぉ…!
澄ました顔で頬を上気させるんじゃねぇ!
そうやって、
こんなオレに欲情なんてするから。
モテるはずなのに彼女のひとつもつくろうとしないから。
健全だったはずのオレまでほだされてしまうんだろうが…!
オレはアカギの拘束から抜けて向き合った。
そして、
「アカギッ…お前の、貸せ…」
「……え」
突っ込まれるのは勘弁だけどその代わりに…と、
2人の勃ち上がったものを擦り合わせて液を滴らせた。
「あちぃ…もっと熱あがりそ…」
「っ…なに、やってんだかね…」
「っ……く…!」
「ほんとカイジさんって罪な人…」
「う…?」
高熱でもう意識が朦朧としてたところを、
アカギの腕が再びオレの身体を優しく横たえたところでふと我に返る。
―――――オレ今何を…?
なんだか随分と恥ずかしいところを見せてしまったような気がした。
「っ忘れてくれ…!」
「それは無理だね。ところでカイジさん…」
動いたせいかちょっと座薬が顔を出してる。
……アカギにそう指摘されたあと。
オレはもう一度、しっかり奥まで入れてもらったのだった。
「はい、入った」
「う……どうも」
後で振り返ってみると。
オレがここでもはや半泣きになっていたのは、
ある程度仕方ないことなんじゃないかと、思うのだ。
しかもオレに処方された座薬はあろうことか一日に3回も入れる仕様のもので。
その度にアカギに入れてもらうだなんて…
クセになりそ…じゃなくて!!
やっぱすごく恥ずかしいものだ。
そんな事情もあってオレはもう2度と高熱なんて出さない!と、
胸ん中で固く固く誓うことになるのだった。
後日談として、
高熱が引いたのを確認してから1日中セックスした――――
…ってことは恥ずかしいので秘密にしておく。