スマートフォン解析 幸佐 短編 | ナノ
南蛮の伝統行事にハロウィンというeventがあると聞いたのは、つい先日の事。

胡散臭い南蛮の男から50両で聞いた話によれば、その日に限ってあるkey wordを云うらしい。
その言葉って云うのが、100両もしたのだが「trick or treat」というらしい。

日本語で云うならば「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!」らしく何でもお菓子をくれない場合には悪戯をしてもOKなんだそうだ。

今までこんな行事を知らないなんてcoolじゃないな。

胡散臭い男から聞いた胡散臭い話を鵜呑みにした奥州の竜は、迷うことなく目的地へ向かった。

仕事をサボる気か!と背後から従兄弟の叫び声が聞こえてきたが、政宗にとって今はそれどころではない。

途中、甲斐の若き虎が政宗に「いざ決闘!!」と尋ねてきたので、丁度良いと思い政宗は先ほど聴いたばかりの話を教えてた。

「とりくおうとり……でござるか?」
「No!発音が悪いぜ、trick or treatだ!」
「……とり……鳥喰おう……鳥?でござるか……ふむ」
「このkey wordを甲斐の忍びに云ったらどうだ?構ってくれなくて拗ねてたんだろ」

政宗の言葉に幸村はピンッと顔を上げると、「それもそうでござる」と合点し感謝の言葉を叫びながら甲斐へと帰っていった。
その赤き後姿を眺めながら、政宗は満足そうに笑みを浮かべた。

「今回のことで迷彩忍も俺の事を見直すだろう……ふっ」

普段から気の合わない政宗と佐助。
それでも実は佐助の事を幸村とセットで気に入っている政宗は、今回の事で佐助が少しは自分の事を見直すと思った。

しかし幸村が「trick or treat」を「鳥喰おう鳥」と勘違いした事からそれも空しく終わるという事を政宗は知らなかった。

おまけに、後日小十郎に告げ口された事によって大変な目に合ってしまうとは思っても居ない政宗であった。
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