ノスタルジア・オブ・バイゴーン・デイ
/ノスタルジア・オブ・バイゴーン・デイ
 the day of birth

 あいつらのガキに初対面した時、俺はまず間の抜けた事に、紫じゃねぇんだなーという感想を抱いた。ちっせー頭にふわふわ浮いた髪の毛の色の事なんだが、俺は水色と桃色が合わさりゃ紫しかねーだろ、とそれはまあ安易に考えていたのだ。まあ、馬鹿の発想だとは自分でも思うが、横で黄瀬のヤローも同しこと呟いてたし、あながち大それた発想でもないはずだ。
 ガキの、バスケットボールなんか目じゃねーくれぇちっせーちっせー頭に浮いている髪が、浅い色合いの黒髪であったとき・・俺は、なんだかよく分からない感情に支配された。浅く、陽に透くと青みが輝く細い毛だった。テツとさつきが、意味ありげな目線でこちらを見てきていた。我ながら、どこか似た色だと思った。横で黄瀬のヤローも同しことをまた呟いていた。あおみねっちにちょっとにてるっすね、だと。
 俺は、さつきと浮気した覚えはねーぞ、と、一応軽口でも叩こうかと思ったのだが、やめておいた。というか、声を出せそうになかった。喉元まで競り上がってきたナニカをどうにか呑み込んで、これは秘密だが、俺はその時目頭が微妙に熱くなるのを出産祝いを乱雑に差し出す事で誤摩化したんだ。――まあ、あいつらにゃバレバレだったんだろうけどさ。


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