そのあとは一日ブルーだった。


ゲス変人×健気不良
不良が呼び出して告白するという胸熱シュチュからオカシナ方向へ進む二人



朝学校につくと、机の中に入っていた手紙。
昼休みに弁当を食べた後屋上へと呼び出すそれに、イタズラだとは思いつつも浮かれる気持ちで向かうと、そこに立っていたのは校内一の美少女の谷崎さん……ではなく、校内一の不良と名高い吉村さんだった。

「俺と付き合ってくだゴホゴホッ、付き合えよ」

屋上に入った俺に気づくと、吉村さんは間髪入れずにそういった。呆けて声が出ない俺に、吉村さんがどうするんだと凄む。
怖かったので仕方なくハイと答えた。

そのあとは一日ブルーだった。
何をしても何が起きてもため息をついた。そんな俺を鬱陶しく思ったのか隣の席の山田が机を蹴ってきたが、それでもため息をつくのはやめなかった。さらに腹を蹴られた。それからは静かに呼吸をした。

放課後、クラスメイトで仲の良い高原が心配してくれた。高原は不良だがいい奴だ。だが、男に告白されて付き合うことになったなど恥ずかしくて言えるわけない。……なんてことはなく、俺はペラペラと昼に起きたことを話した。不良の高原は吉村さんの名前にビビって顔を引き攣らせながら早々に教室を出ていった。
なんと……二年にクラス返してからの二週間で築き上げた友情が、一匹の不良のせいで壊れるとは……男の友情のなんと脆いことか。

その日は溢れそうになる涙を堪えながら……そして昨夜季節外れの蚊に刺された腕を掻くのを堪えながら帰路についた。
途中でコンビニに寄ってムヒを買った。


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