おれ、ドエ○


言わなくても分かると思うけど一応言っとくと、その転校生はもじゃもじゃカツラに瓶底めがねの王道クンな。しかもアンチ。声でかくてKYで思い込みが激しい方ね。
ああ、弁解しとくけど、俺は腐男子じゃない。友達がソレだからなんとなく知ってるだけデス。

んでまあこれも大体分かると思うけど、王道クン……四川(シセン)アズサというなんともかっこいい名前の彼の隣の席になった俺は、四川と出会って数秒で友達、数分で親友、数十分後には大親友になってた。

テンプレ通り順調に親衛隊持ちの人気者たちを落としてった四川は、いまじゃ学園中の嫌われものだ。
もちろん、それに同行させられた俺もね。

親衛隊持ちには『またお前もくんのかよ近付くんじゃねえよアズサに手出したら殺すぞ』と牽制されるわ、親衛隊持ちに四川に手を出したら潰すと脅されてアイツに制裁出来ない親衛隊からは『もじゃ男にくっついて皆様に近付こうとするなんて、身の程を弁えろよ。お前鏡見たことあんの?』と制裁されて周りの奴らには生け贄として無視され、毎日殴る蹴るを繰り返されて生傷が絶えないどころか常に増え続けてる毎日。
そんな日々の中で、俺はずっと同じことを考えてる。

それは、


マジで四川殺す、つか死ねば?なんでお前は無事で無理やり連れてかれた俺が制裁されてんの?つかお前俺の状況分かってんだろ?お前が親衛隊持ちに睨まれてる俺見て満足げに笑ってんの知ってんだよ。親衛隊持ちも親衛隊持ちだ。お前ら俺の手首見てみろよ。四川に握られて青黒くなってんだぜ?アイツの握力半端ねえよ。え?アズサはか弱いから守ってあげなくては?バカじゃねえの、どこまでもテンプレなアイツはお前らと敵対してるチームの総長だぜ、なにがか弱いだよ笑わせんな。親衛隊はあれだ、お前らはとりあえず目を覚ませ。あんなもじゃ男に落ちるような趣味悪いやつらやめとけ。あと一部の傍観者のお前ら。お前ら親衛隊の嫌がらせに乗じて俺の机に落書きとかしてんのばれてっから。俺でストレス発散してんじゃねえよ殺すぞ。


……なんてバカなことではない。
俺が考えてることは、単純明快。

『 気 持 ち い い 』

この一言に尽きる。
もしくは、

『 も っ と し て 』

これもアリだ。

マジで親衛隊持ちの蔑んだ目とか親衛隊から向けられる殺意とか傍観者たちに無視される感覚とか、制裁として暴力振るわれたときとか。
何回イきそうになったことか。毎回フルボッキだし。流石にリンチの時以外は自重してるけどさ。リンチ後は自分の傷痕みてオナニーすんの。そのときの快感といったらもう。

マジで俺、四川には超感謝してんのさ。
四川大好き、愛してる!
こんな天国を見せてくれるなんて、アイツは俺の天使だ。
そういえばアイツの俺を見るあの優越感に浸った目もなかなかクルんだよなあ。そういう意味でも、天使!マイエンジェル四川!
こんな日々が卒業まで続くなんて、考えるだけでイきそうだ……。

あっ!
もう分かったと思うけど、一応いっとく。


俺、ドエムなんだ!


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