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及川宅を後にし、3人はコンビニに向かっていた。暑いからアイスでも食おうと言い出した花巻の提案に、2人も賛成したからだ。19時過ぎでも明るい空の下、3人が話すのはやはり及川と名前のことだった。


「名字のあんな顔、初めて見たよな」
「マジでビビった。俺、泣かせたかと思ったもん」
「でも地雷だったことに変わりはないでしょ」
「次会った時、花巻避けられんじゃねぇか?」
「マジかー…それはさすがにショックだわ…」
「名字さん、そんなにネチっこくないんじゃね?及川は怒られてるだろうけど」
「なんであんな反応したんだろうな」
「ん?」
「岩泉、分かってねーの?」
「お前らは分かってんのかよ」
「そりゃーあの反応見たら…なあ?」
「そういうことなんでしょうよ」
「どういうことだよ」
「ちゃんとヤることヤっちゃってるってこと」
「及川よく頑張って待ってたよなー」
「お前らなあ…」
「岩泉は及川から相談されてたんじゃねぇの?」
「されてねぇよ」
「さすがにそこは自分でどうにかするしかないしな」
「名字さんの反応見る限り、結構いい感じだったんだろうなー」
「そういえば及川、うぜぇぐらい顔の筋肉緩みっぱなしだったもんな」
「幸せそうですげームカつく」
「花巻、嫉妬してるって及川にバレたらもっと調子乗るから気を付けろよ」
「分かってるっつーの」
「俺ら、あいつらを応援してやろうって話してたよな?」
「そういえばそんな話もしたな」
「いざうまくいくと、うぜーことこの上ないわ」
「「同感」」
「俺も彼女作ろうかな」
「松川、好きな子いんの?」
「いねーけど」
「いねぇなら無理だろ」
「だよなー」
「俺も彼女ほしい」
「花巻、好きな子いんの?」
「いねーけど」
「そのやり取りデジャヴだ」
「そういう岩泉はいねーの?好きな子」
「はあ?いねぇよ!」
「おい、なんか怪しいぞ」
「まさか岩泉、俺達に隠し事?」
「だからいねぇって!」
「及川にきいてみるか」
「アイス買ったらまた戻る?」
「なんでそうなるんだよ!」
「及川ならなんか知ってそうじゃん?」
「言ってねぇよ!」
「お、言ってないだけで何かあるってこと?」
「あー!ウルセェ!」
「待て待て…岩泉にも彼女できたら俺らヤバくね?寂しくね?」
「まあ岩泉は及川みたいに惚気てこねーだろうから、そこはいいけどな」
「及川みたいに教室で抱き合ったりもしねーだろうしな」
「名字、だんだん及川に感化されてってねぇか?」
「確かに」
「そんだけ及川のこと好きってこと?」
「マジか…」
「くっそー!リア充め!」


花巻の雄叫びは、漸く暗くなり始めた空に溶けていった。



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