ハッピービーンズデー 1



前日――。

「あ、アガペー!」

「アガペもくじ引きやったでしょ? どうだった?」
「あー、イデア先輩が農民だったからおれは怪物チーム」
「なんだ、アガペも怪物チームだったんだ。僕も今回は怪物チームだよ」

「ん? あ、ブラウ先輩」

「あ、ブラウ先輩じゃないですか!」
「アガペとアリステアか・・・・・・俺に何か用か?」

「先輩は怪物と農民、どっちだったんですか?」
「俺は怪物チームだ」
「偶然ですね、僕たちも怪物チームだったんですよ」

「さっき聞いたけど、ナギルは農民だって言ってたよ」
「それは・・・・・・良かったんじゃない。アリステアとナギルのペアなんて、倫理的にヤバそう」
「これで巴が加わっていたら『悪巧みトリオ』が揃うしな」
「悪夢ですね」
「えー、酷い言い草だな〜。ふふ」


* * *


「・・・・・・」
「オーララ! ムシュー・ソワール(宵闇の君)も怪物チームだったのかい?」
「うるさい、ルーク」
「おっと、これは失礼」

「それにしても、キミと同じチームになれるとは!」
「お前が追う側とは・・・・・・一部生徒からは悲鳴が上がるな」
「狩人としての腕の見せ所だね」

「となると、ヴィルは農民か」
「ウィ」

「では、私はヴィルからのお呼び出しがあるのでね。これで失礼するよ、ムシュー・ソワール」

「なんだ、おぬし。怪物チームに選ばれたのかえ?」
「これはこれは、面白いことになりそうだ。まさかお前さんが追う側とはなあ?」
「お前ら・・・・・・」

「ちなみに、わっちらは農民チームだ」
「雅と鬼ごっこができるとはなあ! 妾たちも気合を入れて遊ぶとするかのう!」

「はぁ・・・・・・あー、クソ・・・・・・面倒臭えなぁ・・・・・・」