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vi


まず最初に向かったのはポムフィオーレ寮。標的となりえそうなのはルーク・ハント。リドルが言うには去年も試合で活躍していた優秀な選手らしい。6人はこっそりとポムフィオーレ寮の談話室をのぞき、それらしき人を見つけた。話には聞いていたが、ポムフィオーレ寮の生徒は本当にキラキラとしていて綺麗だ。「オレ様が犯人ならコイツは狙わねえな」というグリムの言葉を聞き、6人はポムフィオーレ寮を後にして次へと向かった。

次はオクタヴィネル寮。ジェイド・リーチとフロイド・リーチ兄弟の2人だ。連携攻撃が強力で対戦相手の寮が手を焼いたという。2人は学園内の中庭にいた。身長が高く、双子らしくそっくりとした顔が2つ並んでいた。「あの2人をマークしますか?」デュースがリドルに聞く。「ボクが犯人なら、彼らを狙うのは最後にするよ」


「特にフロイドのほうはあまり近づきたくない」
「あ〜〜、金魚ちゃんだ〜〜!」
「うっ! 見つかった!」


リドルがそういった直後、すぐに双子の片割れに見つかった。その人は笑顔でリドルに駆けよってくる。「金魚ちゃん、こんなとこで何してんの? かくれんぼ? 楽しそうだね」息継ぎせずに行ってくる彼に「フ、フロイド。ボクのことを変なあだ名で呼ぶのはやめろと何度言わせるんだい?」とリドルは若干嫌そうに言った。「だって、小さくて赤いのって、金魚でしょ?」何がおかしいの、とフロイドは首をかしげる。
「なんか変なヤツなんだゾ」その光景を見ていたグリムがそう口走り「余計なこと言わないの」と夜月はグリムの口を掴んだ。


「わー、しゃべる猫だ! おもしろ〜い。ねえねえ、ギュって絞めていい?」
「し、絞める!? ヨヅキ、助けるんだゾ〜!」
「おっと」


グリムに気づいたフロイドは夜月の目の前まで来てグリムを指さす。グリムはフロイドに怯え、すぐさま夜月の胸に飛び込んだ。
「おや、ハーツラビュル寮のみなさんお揃いで」するともう1人の片割れがやってきた。こちらがジェイドだろう。「もしや、マジカルシフト大会に向けての敵情視察ですか?」というジェイドに「えーっと、これにはいろいろワケが・・・・・・」とケイトが誤解を解こうとする。「スパイ行為を見逃すわけにはいきませんねぇ」ジェイドは目を細めた。


「何故僕たちを監視していたのか、理由を詳しくお聞かせ願えますか?」
「コイツ、物腰は穏やかだけど全然目が笑ってない・・・・・・」
「とにかく、お邪魔しました〜っ!」


6人は一目散に踵を返す。


「うわ、追いかけてくるぞ!」
「ねーねー、待って〜」
「そういわれて誰が待つんだ! 総員退却!」


追いかけてくるフロイドを背後に、6人は急いでその場を後にする。見た目のわりに恐ろしい人たちだ。「あー。行っちゃった」走り去っていく6人の背中を見て、フロイドはつまんなそうに零す。「ふふふ、楽しい追いかけっこでしたね」ジェイドがそれに微笑みを浮かべた。


「ねー、ジェイド。あの小っちゃいエビみたいな子さあ〜」
「おや、フロイドも気づきましたか」


2人は意味深い笑みをこぼした。