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XI


「か、勝った・・・・・・オレ様たちが勝ったんだゾ!」


エース、デュース、グリムが力を合わせて怪物を撃退した。怪物の姿は消え、此処には夜月を含めた4人しかいなかった。夜月は安堵の息をこぼし、3人は喜んで舞い上がった。完成の声をそれぞれにあげ、4人は仲良く勝利にハイタッチを交わした。


「ふふ、すっかりみんな仲良しだね」
「・・・・・・あっ、ち、違う。別にこれは、そういうんじゃない!」
「そ、そーそー! 変なこと言わないでくんない?」
「オ、オレ様が大天才だから勝てたんだゾ!」


クスクスとハイタッチを素直にした3人を見て笑うと、3人は慌ててそれを否定しようとした。クスクスと笑う夜月を見て、エースとデュースは否定する気も失せ、笑いながら肯定を示した。


「悔しいけどヨヅキの作戦勝ち、かな」
「ああ。ヨヅキが落ち着いて指示を出してくれたからこうして魔法石を手に入れられた」
「みんなが協力してくれたおかげだよ」


これで退学させられずに済むとデュースは胸を撫でおろす。

さあ帰ろうとしたとき、グリムが地面に転がる黒い石をみつけた。魔法石ではないみたいだ。怪物の残骸かもしれない。美味しそうなにおいがする、というグリム。どう見ても、美味しそうなにおいが漂うとは思えない。グリムは我慢できずにそれを食べてしまった。


「うんまぁ〜〜い!!」
「「え”っ!?」」
「うわぁ・・・・・・」


美味しいと叫ぶグリムを横目に、3人はヒソヒソト話す。「オレたちとはやっぱ味覚が違うの?」エースが言う。「・・・・・・かもしれないな」デュースが頷いた。「うーん、お腹下さないといいんだけど・・・・・・」夜月は心配げな様子を見せる。

そして4人は魔法石をもって学園へと戻った。