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I


ホリデーバケーションが過ぎ去り、新しい年を迎えた。いまは1月、今日からまた学校生活が始まる。実家に帰省していた生徒たちは前日に帰ってきて、今日からまた制服を纏って登校する。


「おーっす、ヨヅキ。あけましておめでとー」
「おめでとう、今年もよろしくね。エース、デュース」
「いつもの顔ぶれなのに、なんだか懐かしい気すらするな」


帰省していたエースとデュースにメインストリートで会った。「へへ〜ん。休みの間オレ様に会えなくて寂しかったんだろ」2人にグリムがふふん、とした様子で言う。「オイ、お前らチョロチョロと道塞いでんじゃねぇよ」すると背後から見知った声が放たれた。


「ジャック!」
「よ、元気にしてたか」


久しぶりに見たジャックの姿に、思わずうれしくなった。「あれ。ジャック。なんか肌の黒さが増してね?」ジャックを見てエースが聞く。「そうか? 休暇中はスキー三昧だったからかもしれねぇな」ジャックの言葉に「そういえば、実家が雪国だったね」と返す。ジャックも有意義な時間を過ごせていたようだ。


「スキーってなんだ? オレ様もやってみてぇんだゾ!」
「こら、グリム! 足元でウロチョロするな!」


「あっ・・・・・・!」するとよろめいたデュースが一人の生徒にぶつかってしまった。「・・・・・・っと、悪い! 大丈夫か?」デュースはすぐさま謝るが、その生徒は目に涙を浮かべた。「えっ!? な、泣いてる!?」それを見てデュースはぎょっとする。「せんせ〜、デュースくんが他の寮の子泣かせてまーす」裏声を出して揶揄うエースを咎め、綺麗な顔立ちをしたその生徒にデュースと一緒に駆け寄る。


「大丈夫? 今ので怪我でもした?」
「保健室に連れて行くから、僕の肩に掴まって・・・・・・」
「もう・・・・・・こでらいね・・・・・・!」


「え? こで・・・・・・?」その子から発せられた、よくわからない言葉に2人は目を丸くする。そんなことをしていると、その生徒は一人で走っていってしまった。「あーあ、行っちゃった」エースは走っていった方を傍観してデュースを揶揄うようなことを言う。「アイツ、俺と同じクラスの奴だ。たしか、ポムフィオーレ寮の・・・・・・エペル・フェルミエ」ジャックと同じクラスメイトらしいが、あまり話したことはないらしい。

夜月とデュースは走って行ってしまったその背を眺めた。