いつでもないいつかの星図
学院にきて一年。いつの間にか、♯苗字#夜月という人物は学院中で有名になっていた。もともとたった一人の女子生徒として注目は浴びていたが、今は別の意味で学園の生徒から注目されていた。
主な原因はもちろん、朔間零だ。零はその才能とカリスマ性で誰からも視線を集めていた。そんな彼に付きまとわれ、一緒になって幅広いものに手を出した。そのせいで学院の生徒の大半は夜月のことを『朔間零のお気に入り』『朔間零と同等の天才児』として認識した。
夜月のことを天才児として認識した生徒たちは、プロデューサーとして彼女を見ることはなかった。
才能ある天才児として、朔間零のお気に入りとして、努力もせずに過去の栄光に胡坐をかいた生徒は彼女に媚を売り始めた。
何か彼女に借りを作れば、礼として『願い』をかなえてくれる。
対価さえを払ってしまえば、どんな『望み』もかなえてくれる。
気に入ってもらえば、彼女の才能にあやかれる。
そういう馬鹿らしく愚かしい考えを持って、周りの人間は彼女にかかわろうとした。
だが、そう上手くいくわけもない。大抵すべて夜月に一蹴され追い返される。もしくは彼女の友人だと名乗る人が彼らを夜月から遠ざけた。
彼女は学院で有名になりすぎた。
そんな彼女が『女王』として本性を出すのも、時間の問題だったのかもしれない。
――――to be continued......