×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

Act.14




一方、ギーヴは馬を歩かせていた途中、 スーリと並ぶほどの絶世の美女__ファランギースに出会っていた。


「で? 貴女はどこに向かっておいでで?」


笑みを浮かべたギーヴがファランギースに問うと、ス…と瞳を開いたファランギースが告げた。


「アルスラーン殿下とスーリ王女殿下のもとへ、行こうと思っておる…」


それを聞いたギーヴは瞳をパチパチと瞬きをした。
そして笑みに戻す。


「ほう…。ならば、俺もついていこう」


ファランギースは訝し気にギーヴを見た。
信用してもいい人かは分からないからだ。


「王女殿下には用があってな。ちょうど、王女探しをしてたところだ」


ギーヴはスーリが残した首飾りを懐から出し、それを指で遊びながら言った。
ギーヴの瞳はそれを愛おし気に見ており、それをファランギースは読み取った。


「…お主、王女殿下に忠誠を誓う者か…?」


「…フ……」


ギーヴは目を細め笑った。


こうして二人は殿下と王女殿下を探す、短き旅に出た_。



_
__



夜_。


アルスラーンたちはカーラーンの部隊を見下ろしていた。


各自、ナルサスの作戦通り配置につく。

ナルサスは一人、崖の上で気陰に隠れながらカーラーンの部隊を見る。


「カーラーンめ、まんまと此処へ来たか…」


ナルサスがひとり呟く。
その直後、何者かの気配を察知し、間一髪女の攻撃を避けた。


葉が落ちる_。


お互いに剣と短剣を構え、向かい合う。


「…俺はアルスラーン殿下とスーリ王女殿下に仕えるものだ」


ファランギースはナルサスの言葉にはっとし、失礼したと短剣を太ももへ下ろした。


「私はミスラ神に仕える者。アルスラーン殿下とスーリ王女殿下にお力添えしたく、参上した」


「ほう、殿下たちに…。よし、では早速手伝ってもらおう」


ナルサスは疑うことなく、ファランギースを受け入れた。
それにファランギースは少しばかり驚く。


「私を疑わないのか」


「もしお主がカーラーンの者だったら、今すぐ叫んで私の所在を教えるだろう」


親指で部隊に指さす。
ナルサスはそれに、と続ける。


「今お二人の仲間は私を入れて三人。お主ら二人を入れて、五人となった」


ファランギースは木に隠れていたギーヴに目を移す。


「五人…」


ギーヴは自分を指さす。


まぁいいか。
どちらにしろ、スーリ殿のために来たのだし…。


そして、二人を入れた7人は作戦を実行した_。


-14-


prev
next