2話


それから何日経ったかな?自分の部屋にいるとドタドタといつものうるさい足音が聞こえてくる。ノックもせずにドアを開けて一言




「リコ!!!今すぐ外に来い!早く!!」



『え?何、』





顔を見るとそれはもう何故か分からないけどキラキラしてて嬉しそう。腕を引っ張られ外に出るとそこにあったのは



『自転車…』




へへ〜んと得意げに笑うナキ。
話を聞けば良く人間の所に行くエトが持ってきてくれたらしい。正式には盗んできた。ちゃんと二人乗りできるように後ろも座る所がついてる自転車。
よく絵本で見たり話を聞くだけだったから乗るなんて初めてだしまずあのナキが漕げる可能性なんて無いと思う。




『でもさ、ナキ。自転車漕げるの?』




「俺は天才だからな!自転車くらい乗れる!!」




そう言って自転車のサドルにお尻を乗せ早くと目で訴えてくる。
乗る時にチラッと見えた痣は自転車を漕ぐ練習をして転んだ事を物語っている。



(練習、してくれたんだ)







ナキの後ろに乗り、じゃあ行くぞ〜と叫び走り出した。
凄く練習したんだろうきちんと進んでる。でも私は初めて乗るから上手くバランスが取れずフラフラして落ちそうになる。



「リコ、捕まってろ!」



腕が伸びてきて、私の手を自分の腰に当てた。強くナキの腰を掴むとこんなに背中大きかったっけ?なんて思ってしまった。






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