1話


『ねぇ、ナキ!!二人乗りってしたことある?』




「ん?蓋に乗る?蓋になんか乗ったことねーぞ!」




『ん〜そうじゃなくて…じゃあさ!自転車って分かる?』




「辞典車?なんだそれ!辞典が走るのか!?」




駄目だこりゃ。







『うん。ごめん。ナキに聞いた私が馬鹿だった。』





私は苦笑いしながら部屋に戻った。ナキは本当に馬鹿だ。よくここまで生きてこれたなって位馬鹿。何も知らないし字も書けないしオツムが、ね。



私もナキもアオギリにいる。ナキが連れてこられた時は驚いた。だって大泣きしてるんだもん。あんなに私だって泣いた事ない。アニキアニキ、神アニキ。口を開けばその単語。そしてその直後大泣き。


最初は関わらない様にしようと思ってたのにアオギリの中では結構物知りな私の所に来ては、これはどういう意味だ?とかこれはどうやって書くんだ?とか聞いてきて今では結構仲良し。



泣き虫で痛がりなくせに情が深くて1度信頼した仲間は絶対に裏切らないし守る。
ナキの唯一のいい所。







(二人乗りしてみたかったなぁ)







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