おんなじ味覚  沖田夢




『やぁ沖田くん、3日ぶりだね、元気?』



そんな風に話しかけてきたのは、サラサラな黒髪のよく似合う、最近知り合った男
馴れ初め?それは至って普通だ、行きつけの店が同じで、あっちから話しかけてきた、それだけだ



『今日もサボっているのかい?いやはや君の度胸には恐れ入るよ、すごいね』



そういうあんたはどうなんだ、俺が店に来ている時は必ずと言っていいほど見かけるぜ



『隣座るよ?あ、お姉さん、みたらしください』



いつでもどこでも笑顔を振りまくこいつ、もちろん今のもとびっきりの笑顔付きだ
・・・ほら、店員赤くなってんじゃねぇか、もっと自分の容姿に自覚持てよ



『そういえばあの店の新メニュー、結構話題になってたけど俺はあんまり好きじゃなかったなぁ・・・、沖田くんはもう食べた?』



マジかよ、明日にでも食べようと思ってたのに・・・
残念ながらこいつとは味覚の好みが合う、よってこいつの美味しくないは俺の美味しくないと同等
・・・明日もここに来るか・・・



『ああそういえば・・・ほらこれ!さっき女の子が渡しといてくれって、思い出してよかったよ』



女の子?悪いがあまり興味はない、今は特に、「ある人」のことで精一杯だからな
でもプレゼントはなんであろうと嬉しいものだ
大きさと重さ的に手作りのお菓子だろうか、甘い香りが鼻をくすぐってくる



『モテ男はやっぱり違うねぇ、もらってみたいものだよ、俺も』



何言ってんだ、あんたの方こそモテんだろ、知ってんだぜ、昨日も裏道で告白されてたこと



『あ、やっとみたらし来たみたい、ここの店はさ、つぶ餡とかこし餡が有名だけどさ、一番美味しいのはみたらしだよね』



・・・やっぱり味覚は合う、多分こいつ酒も好きだな



『んー、やっぱり美味しいなぁ、宅配したらもっと儲かるだろうに、そう思わない?』



思うときもあったが、出来立てが一番だ、宅配だと多少味が変わってしまう
というか、美味しいとかの感想は俺じゃなく、店側に言ってやれ



『・・・ねぇ沖田くんはさ、彼女とか作らないの?』



・・・は?なんでそんなことを聞いてくるんだ?訳がわからない



『年頃なんだし、もっとはっちゃけてもいいと思うけどね、せっかくモテるんだから』



・・・・・



『早く好きな人見つけて、結婚して、家庭を持って、子供を作って・・・それから・・・――』
















『――幸せになりなよ』




――もう我慢できねぇ




沖「・・・は・・・・・かぃ?」
『え、なんて・・・』










沖「あんたは、俺に恋人作って欲しいんですかぃ?」
『・・・・・』
沖「・・・俺、あんたのことが好k・・・――」
『作って欲しいよ』





・・・なんだって・・・?



『君の気持ちには気づいていた、でも俺みたいなのに引っかからないで欲しい』
沖「・・・俺が男だからですかぃ?それとも・・・俺が、俺だから・・・?」




何を言ってるんだ俺は、気色悪ぃ、自分で言っといて寒気がする



『・・・どっちもだよ、ごめんね』
沖「っ!」
















『・・・な〜んてね、嘘だよ、俺も君が大好きさ』



沖「・・・・・あ?」



今度こそなんて言った?つい返事が厳つくなってしまった
うそ?コイツも俺を・・・?
・・・?何だこれ?視界が・・・ぼやける・・・



『可愛いなぁ・・・さっきは俺が邪魔しちゃったからね、君の気持ち、聞かせて?』



・・・・・



沖「・・・あんたのこと、が・・・好き、でさぁ・・・」
『うん、俺もだよ、愛してる』








――なんで俺、よりにもよって、こんなタチの悪ぃやつを好きになったんですかねぃ
でも、いいでさぁ・・・こうなったら・・・














沖「―――とことん幸せにしてもらいやすからね」






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


あとがき



いきなりですが、なんかもう気恥ずかしいなぁ・・・

最初はなんとなくのノリで作ってたのが、途中シリアスっぽくなって、最後微妙な甘になったwww


一応沖田くん受け・・・のはず

文の構成っていうか、沖田くん視点で、始めの方を沖田くんのセリフを書いてないのは気にしないでください、こういうちょっと変わった感じが大好きです(笑)



夢主は、沖田くんよりも少し年上の二十歳ぐらい、名前は一度も出てきてません(笑)
容姿は沖田くんが言っていた通り、美形です

あぁ、はずかしい・・・////



それでは、ありがとうございました!






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