▽ アゼル は オペオペのみ を てにいれた。




ある晴れやかな日。 木漏れ日の中をお散歩していた5歳の私は、道端に落ちているグルグル模様のハートの形をしたフルーツ(?)を発見した。


「なんだオペオペの実か・・・・え?・・・・え!?・・・・・えっ!!?」


とりあえず3度見した。
すごく・・・衝撃的でした。
見覚えがありすぎてハゲるかと思った。
私は恐る恐る近づいて、もともと手にしていたいい感じの枝で何度か突いた。
しかし、馬鹿らしくなったので思い切って拾うことにした。


「・・・・」


どこからどう見てもオペオペしてますありがとうございました。
その昔見たアニメのまんまだ。子供の掌には少し大きめの綺麗なシンメトリーを描くハート型の赤い実。もしかすると大人の心臓はこの位の大きさなのかもしれない。
その謎の実を舐め回すように見つめてから、ふと思いついた名前を呼んでみることにした。


「コラさああああああああん!!!」


しーーーーーん。
当然といえば当然だが、あのナギナギしたドジっ子巨人が現れる事はなかった。
遠くで囀る小鳥の声が虚しさを煽る。
いや、来るとは思ってなかったけれど、でもちょっと期待するじゃん。オペオペの実を探してる人って言ったらコラさんじゃん。なのにこんな寂し恥ずかしいなんて・・・こんなの酷いよ!


「ど、どうしたお嬢ちゃん」


通りがかったおじさんが、奇声を発した私を気遣って声をかけてくれた。


「何でもないです・・・」

「そうか・・・公道でいきなり叫んじゃいけないよ」

「アイアイ・・・・」


凄く・・・埋まりたいです。 私の顔はオペオペの実に負けず劣らず真っ赤になっていることだろう。誰か土遁で埋めてくれよ一思いによぉ!!

優しそうなおじさんは私の頭をそっと撫でてから去っていった。
これからはもっと考えてから行動に移さないとダメだ、と言う痛みを伴う教訓を得た日でした。完。


と、勝手に脳内で完結してみたが、問題は何も解決していなかった。
何故って、だってオペオペの実がいまだに私の掌に収まっているもの。
これは食べろという何かの啓示なのだろうか。
私は無神論者だけど、この世界に神がいるとすればそれは岸本先生に他ならない。
なのに尾田っちが出しゃばっている・・・だと?
ここってナルトがサスケェ・・・する世界じゃなかったの?
火影よりも海賊王に俺はなる!!って叫んだほうがいいの?
ダメだわからない。考えても何もわからない。今なら時よ止まれされたポルナレフの気持ちが理解できる。何を言ってるか分からねーと思うが俺もわからない!!
ーーーーそのうちアゼルは考えるのを止めた。


「・・・・いやいや、ジョジョネタぶっ込んでる場合じゃなかったわ。落ち着け私の脳内」


私は土から頭を覗かせる木の根に腰かけると、オペオペの実に顔を寄せてみた。
生果の青臭さと甘酸っぱい匂いがする。


「んーーー・・・食べていい、かな?」


これが本物のオペオペの実だとしたら、それは凄いことだ。
オペオペの実を食べた者は改造自在人間になれる。言葉にするとちょっとダサいが、生かしたまま心臓をくり抜いたり、精神を入れ替えたり、切ったり貼り付けたり、すごく色んなことが出来るようになった気がするのだ。
ルームとかシャンブルズとか技名もカッコイイし、精神を入れ替えるとかなにそれ面白い試したい。
「考えてもわからない時は行動しなさい」ってちょっと頭のオカシイ父さんも言ってたし、トラファルガールームにようこそされちゃおうかな?かな!?


「女は度胸だ!いざムシャムシャ・・・ーーーーッゲロマズゥ!!!」


何とか飲みくだしたが、あまりの不味さにお昼に食べた緑色のスープがこんにちはするところだった。
しかし幼女の私が緑色のスープをリバースしてしまうと、なんかこうエクソシスト的なアレを呼ばれる気がしたので何とか耐えた。悪魔の実を食べた手前、悪魔に憑かれてませんとは言い切れないし。

しかしこの不味さ、これ本当に悪魔の実なのでは・・・?
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