私たちがファミリーに入団して数ヶ月経った頃、ついにフレバンスが滅んだ。
戦争が始まってから1年と持たなかったのだ。
フレバンスの人々の死体は、どこか遠くの荒野で焼却処分されるそうだ。夥しい数の死体が荷馬車に積まれ、毎日毎日運び出されている。
ロー少年もその中の一つに混ざっている事だろう。
そしてもうじきドフラミンゴの元へ来るだろう。小さな体にありったけの爆弾を巻きつけて。




「これからについて、話し合おう」

そう切り出したヤマブキ氏は神妙な顔でティーカップを傾けた。
私たちは自室にて、二人きりのティータイムを楽しんでいる。
ヤマブキ氏はミルクたっぷりのアッサムティーを飲んでいた。見た目だけは美少女のヤマブキ氏によく似合っている。
対する私は湯飲みに入った焙じ茶をズズズと啜り、醤油せんべいをバリバリと食していた。
コックさんよ。何故私にもお紅茶を用意してくれなかったのか。私も優雅なティータイムを堪能してみたいものだ。
そんな憂いを払拭するように、私は努めて明るい声を出した。

「もうすぐだもんね!ショタローが来るの!」

フレバンスが滅んだと聞いてwktkした私は最低だと思います。
でも仕方がない。
だってあのローに会えるんだぜ?しかもショタ。ショタ!!
大事なことなので2回言いました。

「まず、トラファルガー・ローを籠絡する」
「うん!・・・ん?なんか初っ端から変な単語が聞こえたんですけど?もしかして籠絡って言いました?嘘だろヤマブキ氏?」

ヤマブキ氏が余りにも真剣に言うのでついうっかりいい返事をしてしまったが、聞き違いでなければそれはただの犯罪である。
だがヤマブキ氏はキリッとした顔で言った。

「命がかかっていることを忘れたのかい?生きるためならショタコンの汚名ぐらい背負ってやるよ!」

こ、これは・・・!
覚悟を決めた者の顔だ。
何かを変える事が出来るのは何かを捨てる事が出来る者。
何一つ危険性など背負わないままで何かが叶うなど、暗愚の想定ただの幻影・・・と言うことか?

「だがしかし!人間には侵しちゃいけねぇ領域ってもんがある!!思い直すんだヤマブキ氏!!一緒に立派な変態紳士にるって、あの日誓ったじゃない!!Yesショタロー!!Noタッチ!!」
「お前何言ってるの?引くわ」

ヤマブキ氏の視線がパルチザンとなって突き刺さる。
いつの間にヒエヒエの実をお召しになったの?
ふえぇ急に冷静になるのはやめてよぉ・・・。













「ヤマブキはどうした?」

ドフラミンゴは誰にでもなく尋ねた。最近はいつも傍に置いている少女。
何らかの悪魔の実の能力と考えられるが、途轍もない力を秘めておりとても野放しにはしておけない。
自分の手元で徹底的に管理しなければならない人間だ。
もし、少しでも反抗的な態度を見せれば、始末する準備はできている。
幸いなことに、彼女は長い物に巻かれる事を良しとするタイプのようで、今の所はドフラミンゴを満足させるほど従順だ。

「アゼルとお茶会するって言って言ってたわ!」

ベビー5が答えた。

「そうか・・・・」

どフラミンゴは少し考えてからニヤリと笑った。
そして、そのお茶会というものに乱入するため、買い直したばかりの柔らかいソファーに背を向けた。




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