少女が海へ飛び込んでからは、怒涛の展開が待っていた。
少女がサメに襲われそうになったり、少年(と呼ぶには些か育ち過ぎだが)が少女を助けたり、海の中にスタンドが潜んでいたり、少年がそのスタンドに襲われたり、タバコの煙で鼻の血管が浮き上がったと思ったら実は浮き上がっていなかったり、とにかく色々あった。

そしてわかったことは、なんと、この船には自分も含め、7人ものスタンド使いが7人いるということだ。しかもそのうちの1人は他の5人を殺しに来た“DIO”の刺客らしい。

彼らの会話からそこまでの事情を察したドッピオは、とりあえずじっとしていることを選んだ。

(スタンド使いは引かれ合うっていうけど、何もこんな船の上で出くわさなくてもいいのに・・・)

ドッピオは巻き込まれないように甲板の真ん中あたりに膝を抱えて座った。目の前では、スタンド使いたちによって戦いが繰り広げられようとしている。
早速、承太郎と呼ばれる少年が海へひきづり込まれて行った。
海水は塩辛いし、目に染みるだろう。乾けばベタベタヒリヒリすることも予想できる。ドッピオは凄く関わりたくなかった。

(凄く帰りたい、助けてよボスぅぅぅぅ・・・)

情けなくも涙を浮かべたドッピオの頭上で、ウミネコがにゃーと鳴いた。
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