◎ 01
雨が降ってたあの日、
私は君に会ったんだ
黒板にチョークで書く音が耳にはいる。
生徒はみんな教師が黒板に書いたことをノートにうつす。
もちろんそれは私だって例外ではない。
たまに寝てる人もみかける。
人によって起こされる人とそうでない人がいるけど、それって何だかずるい。
ちなみにいうと私は起こされる方に分類する。
今日は生憎の雨。
窓の外をみればバケツをひっくり返したような本降りだ。
思わずうわっと顔をしかめる。
これじゃあ帰るまでに止みそうにないや。
この真っ暗な空は今の私の心情を写し出しているかのようであまり気分がよろしくない。
窓ばっかりみてても仕方ないのでとりあえず黒板に視線をもどした。
ああああ早く家に帰りたい。
「HRはじめるぞー」
雨のせいでいつもより長く感じた一日もようやくHRの時間がきた。
担任が現れるとクラスの生徒はゆったりとした足取りで席にもどっていく。
「えー、明日は朝から漢字の小テストがある。みんなちゃんとやってるかぁ?」
担任の問いかけにザワザワする生徒たち。
(やっべー、俺やってねーや。お前は?)
(俺もやってないや)
うんうん、そうだよね。
小テストってあんまりテストっていう認識ないから忘れるよね。
私もまだちょっとしかやってないよ。
「もうお前らはこの4月で三年になった。ここにきて成績がぐっと下がることはあまりないが、こういった小テストも成績に繁栄する。ちょっとの差で大学に受かれない奴もでてくる。今からでも遅くないからしっかり勉強してくるように。以上だ」
号令がかかって担任が教室からでていくと、クラスは解放されたかのように晴れ晴れした。
帰宅部の人たちはのんびりと支度する反面、部活動にはいっている人たちはあわてて準備をしている。
こんな雨でもやっぱり部活あるんだ。
なんて考える私は当然帰宅部だ。
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