■そんな言い方、
私達、親友じゃなかったけ?
そんな言い方、
朝、登校して下駄箱を開けるとバサバサバサと手紙が大量に落ちてきた。
あ、モテ期到来?
なわけなく、当然嫌がらせや呼び出しの手紙。
まあ、流石に中学生だから頭が腐っては無いらしく、上履きを隠したり汚すようなことはないのが幸いだ。
「モテモテだね〜」
突然ぽんっと肩を叩かれる。
振り返ると小学校からの親友、友達友子がいつも通りお気に入りのパックジュースを飲みながらそこにいた。
「モテモテって…嫌がらせの手紙なんですけど?」
「ふふ、人生はそんなもんだって。あ、私は巻き込まないでね。」
「…………サイテー」
「じゃ、先行くね。」
薄情な奴だ。
……とりあえず、片付けないと。
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教室に入ると女子からの視線が痛かった。
席に着こうとすると幸村さん、跡部さん、白石さんが仲良く話していた。
うっわぁ…入りにく!
女子達は顔を赤くして嬉しそうに見てるし。
どうしよう…
ため息をつくと、それで気づいたのか幸村さんに声をかけられた。
「おはよう、名字さん」
「え!?……お、おはようございます、幸村さん」
「アーン?なんで、座んねぇんだよ。」
「せやせや、はよ座りぃ?」
「え、えぇえ?」
「?ここ、名前ちゃんの席やろ?」
「あ、はい…」
鞄を席に置いて座る。
くそっ…なんでそんなこっち見るの?!
女子の視線が余計痛いんですけど!!
「名字さんって、よく敬語使うよね。得意なの?敬語」
「へ!?」
「ぶっ!!」
っ…友子の奴…笑いやがったな!!
ジロッと睨むと口元を押さえながらちらちらと私を見て笑う。
「べ、別に得意ではないです…」
それだけ言ってそそくさと友子のところに行く。
そして胸ぐらを掴んだ。
「なに笑ってんの!?困ってんだから助けてよ!」
「ワタシソンナキマリシリマセーン」
目を反らし口笛を吹く。
ほんっとムカつくな、こいつ!
「てめえ…!親友じゃねぇのかよ!?」
「…口調悪っ!女の子なんだから気をつけなよ〜」
「あんたねぇ…他人事かよ!」
「巻き込まないでねって言ったじゃん。」
そんな言い方、薄情な
それでもこいつは親友らしい。
(……マジで転校したいんですけど。)