「ダイアゴン横丁へようこそ?」

映画で見たみたいに、カインがレンガを叩くと、そこには溢れんばかりの人、人、人!いやいくらなんでも人多すぎだろ。でも

「すげー(映画そのまんまだ)」


「まずは、グリンゴッツだな」
「うん。そうだな…案内よろしく」

スタスタと歩き始めたカインに俺は黙ってついていくのだった。
てか、ほんと映画そのまんまって感じ。しいていうなら、映画よりもっとゴチャっとしてる街だって事くらいかな。

ふくろうばかりがいる店、書店、仕立て屋…あ。オリバンダーの店だ!杖かあ、杖楽しみだな。俺はどんな杖に選ばれるんだろうか。

「さあ、ついたぞ」

そうこうしている内に、一段と古い建物、グリンゴッツ銀行に到着したみたいだった。

「古い建物だなー」
「グリンゴッツは何千年も前からあるからな」
「へーてかあれが小鬼(コブリン)ってやつか」

小さい生き物がそこらじゅうを忙しそうに走り回っていた。なんか、こうここに来て何だかんだで今まで人間以外見てなかったから、改めてハリポタの世界に来たんだなって実感するな…。


そういえば、あの馬鹿兄貴は元気にやっているだろうか?
俺達は両親がはやくに亡くなって2人暮らしだったんこともあってか、小さい頃から兄貴は保護者的存在で、どうやらブラコンと呼ばれる類の人間らしい。(俺をからかうことを生きがいとしてるドS野郎なのに…)


やっぱり、俺がいきなりいなくなったから、絶対焦ってるよなー。
まあそもそも消えたかどうかも怪しいけど。(もしかしたらあっちの世界では俺は死んだか、仮死状態なのかも知れないし)



「れんれん。鍵は」
色々思考を巡らせていると、カインが鍵を催促してきた。受付の小鬼はちょっと困ったような表情をしていた。

「うわ、ごめん。レン・ヒナタの金庫をお願いします」
そう言って鍵を渡すと
「わかりました。では、ご案内します」
小鬼はそう言って案内の者を呼んだ。