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特殊消防隊に入ろうと思ったのは、無論真実を知るためだ。

あの日送られてきた手紙の送り主と会い、真実を聞く。そのためには能力は勿論、身体も精神も頭も鍛えなければならなかった。

幸運か不幸か、第一に配属されて一年もしないうちに、私は「人工焔人」の情報を得た。第一に配属になってから休日を利用して個人的に集めるようになった裏情報からだ。

つまりあの手紙はやはり真実であり、送り主はあの日何が起きたのかを知っているということになる。

そして、人工的に焔人を作っている者がいるということと、あの手紙の内容を併せて考えるならば、父は何者かに焔人にされ、家も家族ももろとも燃やしてしまったということになる。

誰がそんなことを?
何のために?
なんでわたしのお父さんを?

ーー怖い。
炎に包まれるあの光景を思い出すだけで、本当は涙が止まらない。焔人を見るたびに身体は強張り、背筋が凍るような感覚がして嫌な汗が止まらない。呼吸を忘れてしまって、その度に過呼吸になりそうだ。

けれど先輩の前でそんな姿を晒すわけにはいかない。このことだけは大隊長にも先輩にも絶対に知られないように。

ーーこれは自分の問題だ。

真実のため
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