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- ナノ -

カリムの部屋に入ったナナ。適当に座れと言われたが、カリムがデスクの前の椅子を使ったので必然的にベッドに腰掛けることになった。

「それで話ってなんだ」

「実は今日、大隊長に呼び出されて、明日の午後から二週間第七に研修に行くよう命じられました。先に知ってましたよね、カリムさん」

カリムが部下のことを事前に知らされていないはずがないと分かっているナナは、ジッとカリムを見つめる。

「ああ、知ってた。ちょうど近くにいたのもあってな。第七の大隊長に話をつけるのには苦労したらしいぞ」

「……」イラッ

表の人間で、唯一自分の過去も目的も知るカリムにだけは感情をあらわにするナナは、そんなこと聞いてないんですけどと内心腹を立てた。

「"コッチ"のことは俺がやっておく」

「研修の必要性は理解しています。この二ヶ月間で上達しなかった理由も。ーーでもその間は犯人を捜せないし、第八から送られてきた新人のことも探れないのは困ります」

「だからそれも全部俺がやっておくと言っている。わかったらお前はさっさと明日に備えて部屋に戻って寝ろ。ーーああそういえば、第七は荒くれ者が多いと聞く。気を付けろよ」

「・・・」

口が裂けても言えないけれど、人工焔人を作っている犯人はレッカかフォイェンのどちらかだとナナは分かっている。

カリムはナナが裏社会で情報を集めていたことに匂いで気づいたキレ者だ。そうでなくても普段から優秀で、どんなことがあっても冷静に物事を見つめられる彼なら、犯人捜しも第八の事も完全に任せ切ったってなんの問題もない。それは分かっている。

ただナナとしては、それを任せ切る申し訳なさと、自分がいない間に二人のうちのどちらかとカリムが対峙する事になったら、現場でもそうしているように自分が前に出たいという思いが強かった。

真実を知りたい、この目で見たいというのもあるが、それもこれもカリムに絶対的な信頼を置いているからこそそう思えていた。

「なんだ、まだなんかあるのか?」

「…………いいえ」

「なんだよ」

「いいえって言ったじゃないですか」

「俺は意外とお前のこと見てるって言わなかったか?お前はなんか大事なことを隠す時、顔はこっち向いてても若干目が下向くんだよ」






深夜訪問
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