暫く大聖堂の外で待っていると、扉が開き、中から全員が出てきた。
「ナナ!今から組手だ!」
「レッカさん、私もですか?」
「ああそうだ!俺たちの力を見せてやろうぜ!」
「それからナナ。新人の研修期間中、三人の中隊長と共に君も彼らの世話をしなさい」
「承知いたしました、大隊長」
ーーそれはいいとして、新人と組手ってどういうこと?今日は施設を案内するだけって言ってなかったっけ…。しかもバーンズ大隊長もいらっしゃるってことは、もしかして大隊長自ら相手をするつもりってこと?
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私たちは屋外にある組手や能力トレーニングに使われる場所へと出た。大聖堂内で何があったのかはわからないけど、新人がバーンズ大隊長をここまで連れてきた上に組み手をさせるなんて異常事態だ。
これは私の勘だけど、今物凄い喧嘩腰の態度と顔でバーンズ大隊長を睨み付けているシンラ・クサカベの仕業だと思う。
「なぜ彼は、あんな喧嘩腰なんでしょうか…」
「第一に来たのが嬉しくて、漲っちゃってるようで…」
ーー絶対違うでしょその顔。まぁ大隊長や中隊長がいいなら私はそれに従うだけなんだけど。
「元気のいい隊員だな!俺、燃えてきちゃったぜ★」
「誰から始めるんだ?」
私に姫(?)と言った第八の新人がそう言う。既に刀みたいな武器に手をかけてるあたり、彼もやる気マンマンらしい。
「数字の若い部隊の者から相手をしよう。遠慮はいらんぞ。存分に実力を見せたまえ」
「フォイェンさん。フォイェンさんとカリムさんもするんですか?組手」
「やらないよ。代わりにナナ、頑張ってね」
「なんで私なんですか」
「レッカが第一のエースなら、ナナは女性のエース……だからじゃないかな?」
「………?」
フォイェンさんの言っていることの意味がわからないでいると、カリムさんが私の肩に手を置いた。
「要するに実力の差を見せてやればいいんだよ」
「尚更先輩方が出るべきじゃ?」
「第一を代表する攻撃タイプは大隊長とレッカ、それからナナだからな。役割果たしてこい」
「……はい」
ーーまだ第二世代能力、使いこなせてないのに
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