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「ーーナナ!久しぶりのオフのところすいません、」

「もしもしお疲れ様ですフォイェン中隊長。今いる場所から、北区の公園かハイビルのあたりで凄い煙が立ってるのが見えます。そこですか?」

「…そうです!付近にいましたか…申し訳ありませんが至急出動して下さい。正確な場所は北区のーーー」

「了解しました、至急向かいます」

ーーーこの日私は出会う。真実を知る者に。





無線の向こうで聞こえたのフォイェンさんの声は、珍しく焦っていた。それにわざわざオフの私を呼ぶなんて。どうしたんだろう。他の二人とその部下も出動しているはずなのに。

「……」

発火した炎を頭で想像した通りに操る能力を持つ私はいつもどおり炎を大きな翼へと変え、空へ羽ばたく。

このスピードなら2、3分で現場に着くけど、現場は炎よりも煙がすごい。もしかしてもう消火した後?ーーでも、だとしたら呼び出される理由が分からない。

「ーー!」

ドォオン!!!

その時だった。目の前で突如爆発が起きた。

「(爆発…?なんでこんなビルの上で…)」

無意識のうちに背中から炎の大翼が消え、煙の中、辺りを警戒する。

「へェ、こりゃスゲェな」

どこからか声がした。ーー男だ。

「じゃあコレはどうだ?」

人の気配を感じなかった煙の中から今度は突然何かが飛んできた。ーー人の脚だ。それも長くて速い。

なんとか間一髪で避けた私は、次にどこから何が飛んできてもいいように炎で自分の周囲を覆う。ーー本当は嫌だ。こんなの、自分の炎とはいえあの時と同じだ。

「…やるじゃねぇのお嬢ちゃん」

煙の中、姿を現したのは片目を黒のレースで隠した怪しげな長髪の男だった。



襲撃
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